中学2年生は、1月20日(土)のLHRでNPO法人ホロコースト教育資料センター(Kokoro)の石岡史子さんをお迎えし、「ハンナのかばん」というテーマでお話を伺いました。マリアニストスクールの一員である晃華学園では、「奉仕、正義、平和をめざす教育」を大切にしており、石岡さんに毎年ご講演をいただいています。
今回の公演の冒頭は「戦争の責任は偉い人たちや政治家、資本家だけにあるのではありません。そうなんです、責任は名もない一般の人たちにもあるのです。」というアンネ・フランクの一節に対し、個人で問いを立てることから始まりました。そうして立てた問いを周囲の2、3人に共有し、その後学年全体に共有していくという流れでした。全体共有の際は、積極的に手を挙げて参加する生徒の様子を見ることができました。その後、問いの共有やウクライナの戦争を具体例に自分たちが考える平和の定義を考えたところで、本題のホロコーストについてのお話へ移っていきました。
まずは、ハンナという人物の紹介から始まりました。その際、複製品ではありましたが、実際にハンナ自身が使っていたカバンを見ることができました。汚れや材質などをできるだけ現物に近づけたものとなっており、この話が他人事ではなく、実際に自分と同世代の少女に起こったことであることを強く印象付けられました。
そして、ホロコーストの経緯、ユダヤ人と民族差別、ヒトラーという人物についてなど語られていきました。それに併せてハンナ自身やその家族の生涯についても、時系列に沿って紹介されました。紹介の際には、実際のハンナの写真、当時のドイツの様子や収容所の写真なども見ることができ、当時の社会の情勢などを更に深く考えることがつながり、生徒も真剣な様子でした。
今回の講義で、ハンナという人物について考え、自分たちの享受している幸せを再認識するとともに、平和について考える契機として今回のお話は生徒だけでなく大人にとっても、有意義なものでした。