卒業生の活躍

晃華で芽ぶき、世界 で華咲く女性たち

OG's voice

世界に目を向けるきっかけに

世界に目を向けるきっかけに

鴻野 わか菜さん
早稲田大学
教育・総合科学学術院 教授
鴻野さん:原田先生の授業はとても丁寧で分かりやすく、進路決定の時に「海外に関わる仕事がしたい」と思うきっかけにもなったんです。担任でない私にも気さくにお話ししてくださり、相談にも乗ってくださいました。

原田先生:お褒めに預かり光栄です(笑)。鴻野さんは当時から頭が良く、ものの見方が面白くていつも何か考えているような晃華生らしい視野の広い生徒でした。そんな鴻野さんが現在、大学教授として何かを伝える立場にあるというのは教師として嬉しく思います。

鴻野さん:S N Sで同級生の活躍を見ている時もそうですが、学生時代から好きだったことを仕事にできているのは、晃華学園の恵まれた環境にいられたからだと実感しています。晃華学園を卒業後、私は東京外国語大学へ進学し、厳しい社会情勢の中でも力強く継承されるロシア文化に感銘を受け、現在は早稲田大学で教授として様々な国の文化の研究を続けながらロシア文化の啓蒙活動を行っています。晃華学園では女子校というのびのびとした環境の中、他人に依存せず自分で決めたことを最後までやり遂げる意識が自然と育まれます。また、当たり前のように自分を“ 世界の中の一人” だと実感させてくれる機会が充実していました。語学研修や修学旅行はもちろん、留学生やネイティブの先生方との日常にあふれるコミュニケーションにも異文化に触れる機会が多くあったことで視野が広がり、世界の中で自分にできることは何かと自然と考えられるようになりました。

原田先生:確かに晃華学園で6年間を過ごすと、英語や異文化に対する抵抗はなくなっていくと思います。高1 のイギリス語学研修で初めてホームステイを経験した生徒達が「中学で学んだ英語は世界で通用するんだ!」と実感してさらに積極的に英語に関心を向けるようになるんです。また、世界に目を向けることで視野が広がり、好きなものを見つけたり考え方が変わっていったり、人生が豊かになっていくんですよね。

鴻野さん:もちろん主軸は自分が興味のあることを極めたいという部分にありますが、それを誰かのために還元できないかと自然と考えられるようになったのは、手厚いサポートをしてくださる先生方や、一緒になって行動を起こしてくれる仲間の存在をはじめ、宗教教育を通して他者を思いやる気持ちが身についたおかげです。晃華学園で中高6 年間を過ごせたことは、私の人生にとてもいい影響を与えてくれました。これからも晃華学園で学んだことを胸に、世界中の文化の懸け橋となれる活動を続けていきたいです。

※所属などは、2022年5月当時のもの
他者と幸せを共有する喜び

他者と幸せを共有する喜び

結城 明姫さん
株式会社オリィ研究所
共同創設者 取締役最高執行責任者
熊井先生:私は結城さんがご卒業されてから赴任したのですが、結城さんのお話は職員室でよく耳にしていました。

結城さん:在学中、先生方には大変お世話になりましたから… ( 笑) 。中3の卒業論文で家に保管されていた古文書を研究したいと思い、社会科の原田先生のところへ持って行って「一人では読めないので読んでいただけますか?」とお願いしたらわざわざ家まで持ち帰って読んできてくださったんです。授業のこと以外でも親身になってサポートしてくださる先生方だったからこそ、
自分のやりたいことに全力になれる6 年間を過ごすことができました。

熊井先生:色々な事に興味を持って聞きに来てくれる生徒は今でも多いです。卒業論文は現在、課題研究と名前を変えていますが、全国学芸サイエンスコンクールへの出展など、課題研究を軸とした生徒の活躍は今もなお続いています。

結城さん:それは嬉しいですね。私は小学生のころから研究が大好きで、卒業論文以外にも個人で研究を行っていました。高校生の時、J S E Cという科学技術の自由研究コンテストに応募したら1 位をいただき、副賞としてI S E Fという世界中の高校生が自由研究を競うコンテストの参加資格をいただいていたのですが、同時期に結核を患ってしまい半年間の入院生活が始まりました。先生方や友達の存在はもちろん支えになりましたが、外に出られない孤独感から自分の分身があればと強く願うようになり、現在は私がC O O を務める研究所で「O r i H i m e 」という分身ロボットを製作し、様々な事情で外に出られない方のための活動を行っています。自分が何かを成し遂げる時に、自分だけが得をするよりもみんなで共有して幸せになる方が嬉しいと自然と考えられるようになったのは晃華学園で過ごした日々のおかげです。

熊井先生:生徒発信で様々な取り組みに参加しているのは本校ならではですよね。学生時代に培ったことを卒業してからも多くの人のために発揮し続けられる卒業生が多いことも本当に誇りに思います。

結城さん:学校の取り組み一つひとつが“ 他者のために”という想いを体現していて、そんな活動が当たり前のように日常に溶け込んでいたので将来は他者のためになるような仕事をしたいと思うようになっていきました。学生時代にチャレンジした経験は、深めていくことで将来の夢や仕事につながっていきます。私の後輩となる皆さんが、一緒に夢を見られる仲間と共に、世界中で活躍されることを心から願っています。

※所属などは、2022年5月当時のもの

卒業生の紹介

SDGs に取り組む今のワークスタイルは、
晃華学園の「自ら考える」教育が始まりです。

SDGs に取り組む今のワークスタイルは、
晃華学園の「自ら考える」教育が始まりです。

吉高まりさん
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 勤務
環境戦略アドバイザリ一部チーフ閑境・社会(ES)ストラテジスト
晃華学園では中高6年間の多感な時期を過ごし、当時から、社会的課題について関心を持っていました。好奇心が旺盛な私は、「何ができるんだろう」と自分に問いながら、中高生活を送っていたように思います。シスター方にほどよい距離で見守られ、個性豊かなクラスメートと新しい企画を立て奔走した日々には、「教わる」というよりも「自分で考える」機会が多くありました。自由と自立について、また世界が抱える問題について考える。精神の自由度が高い環境は女子校ならではだと思いますし、蒔かれた種は将来の進路を確立していくための土台となったように思います。
現在金融機関で、企業が社会課題の解決を図りつつビジネスを持続的に経営するためのコンサルタント業務に携わりながら、問題意識を持つ若い世代を大学院で教えています。中高時代からグローバルな視点を持てたことが、気候変動やCO2削減に関するファイナンス、ESG投資(環境、社会、ガバナンスを重視する投資)などをテーマとする今のワークスタイルにつながっていきました。国連が採択したSDGs(世界的課題の解決に向けた17の目標)の達成目標年は2030年。世界の現状をより良くすることと企業のビジネスが相反せず、車の両輪となっていくのが当たり前となるように、国内外を飛び回り奮闘しています。
世界は変わります。晃華学園の後輩たちがSDGsに目を留めて自主的に活動を始め、さらに後輩たちへと活動の輪が広がっていることをとても頼もしく思います。世界に心を開いて実情を知り、自分事として受け止めること。これからの世界を担う皆さんには、好奇心旺盛に、様々な経験を積みながら成長していってほしいと願います。

※所属などは、2019年5月当時のもの
晃華学園の指導は、
自分らしさを突き詰める今の私のルーツ。

晃華学園の指導は、
自分らしさを突き詰める今の私のルーツ。

末松 美知子さん
国立大学法人 群馬大学 勤務
副学長(国際交流担当) 国際センター長
男女共同参画推進室リーダー 社会情報学部教授
大学教員として、「自己肯定感」が低い学生が増えていると感じます。自分が正しいと思うことに自信が持てない。そんな学生には、「やりたいことは積極的に取り組んでいきなさい」と後押ししています。そうした指導を通して思い出すのは、晃華学園で先生方に、自分らしさを大切にしていただいた経験です。未熟な中高生ですから、礼儀やマナーなどのご指導はありましたが、自分らしさはいつも肯定してくださいました。おかげで、自分のやりたいことに真っすぐ向き合えたと思います。
私は、当時から英語に力を入れていた晃華学園で英語劇を学んだことがきっかけとなり、英語の本を読むことをライフワークにできないかと考えました。その気持ちを大切に、大学時代はイギリスに留学し、大学院に進み、現在は海外文学、特にシェイクスピア劇を専門として教えています。好きなことを突き詰めていった私のルーツは、晃華学園の日々にありました。
社会に出て気づいたことは、女性に対して「無意識のバイアス」があることです。リーダーシップを取るのは男性で、女性はそのサポートといった意識が、社会には根強く存在します。その点、晃華学園には女性である前に個の存在として自分が認められる環境があり、オープンな視点を持ち多様な人々と関わっている現在の仕事の土台となっています。男性だけでなく女性自身も影響されているこの女性に対する「無意識のバイアス」は、今後の世界の発展を阻害してしまうのではと私は危惧しています。一人でも多くの女性が社会で活躍できる未来を切り開けるよう、これからも自分らしく活動していきたいと考えています。

※所属などは、2019年5月当時のもの
多様性を認め合う文化が、
学園全体に根付いていると感じます。

多様性を認め合う文化が、
学園全体に根付いていると感じます。

尾崎 優子さん
シティグループ証券株式会社 勤務
法務部 ディレクター カウンセル
私が晃華学園で過ごした期間は2年半。帰国子女として入学して以来、人のあたたかさに支えられた高校時代でした。海外から帰国して日本の学校に通うと、文化の違いから馴染めないことが多いと聞きますが、晃華学園ではそういった壁を全く感じませんでした。晃華学園には様々な個性を持った生徒がいましたが、誰もが海外に対して高い関心を持っていて、分け隔てなく人と接する校風があり、海外で過ごしているとき以上に、多様性を認め合う心を実感することができました。また、先生方は生徒一人ひとりに親身になって対応してくださいました。帰国子女の私は古文や漢文を学んだ経験が無く、学習に苦労しましたが、先生方は私がクラスメートに追いつけるよう優しく見守ってくださいました。カトリック教育の実践として自然と他者を思いやる心が生徒にも先生方にもあり、困っている人に手を差し伸べる文化が学園全体にあったと思います。
現在はNY州法弁護士として、国際的に活動しています。同級生にも海外勤務をしている人は多く、晃華学園で培ったグローバルな視点が生きていると感じます。晃華学園の卒業生は皆一様に、ただ海外で功績を立てるというのではなく、人のために、世界のために努力したいという気持ちが強い印象を受けます。振り返ると、私自身、自分を本当に役立てたいという思いが、今の仕事につながってきたと思います。
晃華学園は、生徒一人ひとりの個性を受け入れる学校です。その中で身についた、お互いを尊重し合いながら力を合わせていく姿勢が仕事の源になっています。

※所属などは、2019年5月当時のもの
女子校ならではの
のびのびとした校風が、意欲的な姿勢の基に。

女子校ならではの
のびのびとした校風が、意欲的な姿勢の基に。

松橋 阿子さん
東京大学医学部附属病院 勤務
脳神経外科
やりたいことに全力で打ち込める環境が晃華学園にはありました。東京大学理科三類(医学部)志望だった私は、受験勉強と並行して、聖歌隊の部活動はもちろん、合唱コンクールなど様々な実行委員会活動をしていましたが、先生方に止められたことは一度もありません。「〜だから」と枠にはめず、生徒のチャレンジ精神や努力する気持ちを、とことん応援してくださる校風でした。
また、与えられた自分のタレント(賜物)を必要としている人のために生かす、「ノーブレス オブリージュ」の精神も教わりました。現在私は、脳神経外科の医師として患者さんの治療にあたる毎日を送っていますが、厳しい状況にあった患者さんが元気になり、ご家族も喜んでいらっしゃる姿に接するときなど、心から医師になって良かったと感じます。自分の力を生かして、他の人の役に立てることにやりがいを見出す姿勢は、晃華学園で学びました。また、脳神経外科は手術が10時間にも及ぶことが多く、体力面の懸念からとても男性の多い職場です。晃華学園にはもちろん女子しかいませんでしたが、だからこそ、女性だから…と考えることなく将来を選択できました。晃華学園の自由な校風にとても感謝しています。
今は脳神経外科の専門医になるため努力しています。医師になって4年目の私はまだまだ勉強中。アメリカの医師免許を取得したり、脳神経外科の学会で同時通訳を務める機会をいただいたりしながらさらに研鑽を積み、常に高い理想を持ち続ける医師でありたいと考えています。

※所属などは、2019年5月当時のもの
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