2020年度

中学3年生静修会~被災地に思いをはせる~

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投稿日2020/12/3

中学三年生は、2011年の東日本大震災以降、復興支援に携わってこられた畠中千秋氏(聖心会シスター、カリタス南相馬)のお話をうかがいました。震災からまだ日の浅い2013年に、ご来校いただいて以来、7年ぶりにお目にかかるシスターは、朗らかな明るい笑顔を絶やさず、「いのち最優先」というテーマで、現地の写真や地図などたくさんのスライドを使いながら、震災当時から現在までの様子を、熱のこもった口調で話して下さいました。

当時まだ幼稚園生で、震災の記憶もおぼろげな中三の生徒たちにも、冒頭でシスターがおっしゃった「復興はまだあまり進んでいません」という言葉は重く受け止められました。移住を余儀なくされたり、家族が分断されたりした人々の悲しみに思いをはせると共に、核の処理やエネルギー問題など、震災の後遺症は、今の自分たちの生活と切り離せない出来事だと気づきました。

震災、津波、原発事故に加えて、昨年の台風19号の被害からの復興も道半ば、さらに新型コロナウイルス感染が重なり、「カリタス南相馬」へのボランティアは制限されているそうですが、最後に大きな風車の写真が出されて、風力エネルギーや太陽光パネルを使って、50%まで電力をまかなっているお話をうかがい、希望の光を感じました。

また、復興支援の状況を伝えるパンプレットと共に、かわいらしい「ぞうりのストラップ」が生徒全員に配布されました。事後学習として生徒たちと相談し、「カリタス南相馬」への募金活動を行い、お礼のクリスマスカードを書いています。折しもアメリカの「全米図書賞」で、震災以降、南相馬へ移住して書店を営む柳美里さんの『JR上野駅公園口』の受賞が決まりました。居場所を失った人々、苦しみにあえぐ人々とのつながりを忘れずにいたいと痛切に感じています。

(生徒のふりかえりより)

・東日本大震災といえば3月11日のイメージで、地震による建物の倒壊や津波などが被害として頭にすぐ出てくるが、3月15日の原発事故も忘れてはいけないと改めて思い知らされた。今でも帰れない人がいるという事実は衝撃だったし、見て見ぬふりをしてはいけないと思った。

・福島では、避難されている方、農業や漁業を営む方、人体への被害や風評被害など、まだ困難な思いを抱えて苦しんでいる方が多くいらっしゃることを知りました。汚染水の排出や核の処理施設など、福島だけでなく日本のこととして考えなくてはならないと思いました。

・SDGsにもあるように持続可能なエネルギーを作ることの重要性を知りました。今回の話を聞いて、電気を大切に使うよう心掛けたいなと思いました。食べ物と同じように、電気を作る人がいると知れたことで、節電しようと思えたし、電気を作る方々に感謝の気持ちを持つようになれました。

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