うららかな春の陽気の中で、イースター・ミサが行われました。昨年度に引き続き、3学年ずつ2回に分けて、ゆったりとした空間で生徒たちはミサに与りました。聖イグナチオ教会(カトリック麹町教会)は、大きな花模様の天井から明るい光が降り注ぎ、聖堂全体が楕円形のフォームで、イエス・キリストの復活を祝うイースターにふさわしい教会です。聖書に登場する自然をモティーフにしたステンドグラスが、壁面に美しく輝いています。
聖歌隊の清らかな歌声が聖堂内に響き、穏やかな中にも厳かな雰囲気に包まれて、ミサが始まりました。司式をして下さった柴田潔神父様(イエズス会)は、ご自身の自己紹介を兼ねて、どのようにキリスト教に出会ってきたか、分かりやすくお話してくださいました。大学時代に上下関係の厳しい体育会をやめて、失意の中で、この聖イグナチオ教会の門を叩いたこと、教会で、ある女性に「あなたの願いごとがかなうと良いわね」と声を掛けられたこと、住宅販売のお仕事から一転して神父の道を歩み出したこと、幼稚園の園長先生を務め、カブトムシをたくさん育ててバザーで販売し、そのお金で難民の方々を支援していることなど、実に興味深いお話でした。
十字架に掛けられたイエスが復活し、マグダラのマリアが最初にイエスに出会ったエピソードから、目に見えるものだけがすべてではないこと、辛い状況に置かれたとしても、それがずっと続くわけではない、いつか状況が変化するから諦めてはいけないこと、悲しみや苦しみは人を成長させることなど、大切なアドバイスをしてくださいました。
さらに、昨年の慰霊祭・静修会で神父様のご指導受けた高2の生徒たちが、その時の題材であった「コウノドリ」のドラマを視聴して書いた感想文を紹介してくださいました。読み上げられた生徒たちは驚きと喜びを味わい、ミサに与ったすべての人々が、いのちの大切さや生きていることの意義を深く噛みしめました。神父様が生徒たちに温かいまなざしを向けて、大切にして下さる思いが伝わってきました。
ミサが終了すると、神父様は大事に育ててこられたカブトムシの幼虫が入ったコンテナを聖堂の入口に置き、希望する生徒にはカブトムシの幼虫をプレゼントしてくださいました。受けとった生徒たちは満面の笑みを浮かべています。聖歌隊の生徒は、聖歌の歌詞を変えて「みんなで守るよカブトムシを~♪」と口ずさみ、神父様が嬉しそうに微笑んでいらしたのが印象的です。
(生徒の感想より)
「今回、神父様が『命の大切さ』について話していたところが印象に残りました。今、生きられていること、健康に学校に通うことができていることなど、全てのことが決して当たり前ではないということを改めて思い知らされました。」
「改めてミサの力はすごいなと感じました。今回のミサで神父様は何度も晃華学園の生徒のために祈って下さって、とてもパワーをもらえたなと思いました。」
「神父様が飼っているカブトムシを売ってお金にして、それを難民の方などに寄付していると聞いて、私も困っている人たちのために何か出来ることはないか考えてみようと思いました。」