イースター、おめでとうございます。春の暖かな陽射しを受けて、花々が咲き乱れる美しい季節を迎えました。ミッションスクールの晃華学園では、例年最初に行われる宗教行事が、全校生徒が集うイースター・ミサです。今年はコロナウイルス感染の拡大という事態により、新学期開始が延期され、あいにくミサも中止となりました。本来であれば、イースターは、十字架にかけられたイエス様が復活されたことを祝う、キリスト教において最大の喜びの行事ですが、カトリック教会もこの危機的な事態を乗り切るために、今はミサを行わず、聖堂の扉を閉じています。
ステンドグラスの光が降り注ぐ美しいイグナチオ教会を訪れ、いつもイースター・ミサをお願いしているイエズス会のガラルダ神父様に、ミサ中止をお伝えすると、「今は仕方ないですね。皆さんのためにお祈りしています。」と仰いました。ユーモアセンスと優しさで私たちを包み込んでくださる神父様の故郷は、コロナウイルスで大きな打撃を受けているスペインであることに思い至り、いたたまれない気持ちになりました。日本で長く布教活動をされてこられた神父様が、笑顔の奥で、今どれほど悲しんでいらっしゃるだろうか、と。
ミサはできませんが、私たちは「祈る」ことはできます。感染によって苦しまれていらっしゃる方々やご家族のために、医療の最前線で懸命に治療に携わっていらっしゃる方々のために、不安を抱えて日々を過ごしている人々のために、一日も早くこの事態が終息するよう、皆さんでお祈りをいたしましょう。「新型コロナウイルス感染症に苦しむ世界のための祈り」が日本カトリック司教協議会より発表されました。心に留めていただければ幸いです。
学園の芝生には、「ルルドの泉」があります。「愛晃会中高ブロック報2020No.136」でも紹介されましたが、フランスのルルドで、貧しい少女ベルナデットの前に、聖母マリアが御出現され、洞窟から泉が湧き出し、病者を癒やす奇跡の聖地として世界的に知られるようになりました。本場のルルドでは、コロナ感染の終息のために「アヴェ・マリア」の祈りが唱えられる様子を動画配信しています。
今回は、イースター・ミサに代えて、YouTubeで動画をお届けします。学園の「ルルドの泉」を背景に、イエスの復活を描いた聖書(「ヨハネによる福音書」20章1節~)の一節と、本校の聖歌隊(姉妹校の暁星学園との混声コーラス)が歌う「Ave Maria」が流れます。この曲は、本校の設立母体である「汚れなきマリア修道会」設立に関わったアデル・デ・トランケレオンが「福者」とされた記念として、作曲家の町田治先生が作って下さった作品です。いつも慈愛のまなざしを私たちに注いでくださるマリア様を讃えるのにふさわしい、親しみやすく美しいメロディです。清らかな調べが皆様の心に潤いをもたらしますように。
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・新型コロナウイルス感染症に苦しむ世界のための祈りはこちら(「東京教区ニュース」より)