1学期の終業式後、中学3年生から高校2年生を対象に特別な講演会が開催されました。これは、高校の修学旅行で沖縄を訪れる生徒たちの平和学習をさらに深めるだけでなく、戦争と戦後、沖縄をより深く、そして自分事として捉えるために実施されました。
今回は、
映画『宝島』のプロデューサー五十嵐真志さん、
作品にも出演し舞台となるアメリカ統治下の沖縄を実際に体験している女優のきゃんひとみさん、
沖縄ことば指導の今科子(こんしなこ)さん
をお招きし、普段はあまり知られていない第二次世界大戦後のアメリカ統治下の沖縄での暮らし、沖縄が本土復帰するまでの27年間について、貴重な映像や資料を交えてお話しいただきました。
特に印象的だったのは、「過酷な状況でも、前向きに、あきらめずに進み続けることの大切さ」というメッセージ。生徒たちは、教科書だけでは学べない、生きた歴史を肌で感じることができました。この経験は、単なる知識としてではなく、一人ひとりの心に深く刻まれ、高校3年生で迎える沖縄修学旅行をより有意義なものにしてくれるでしょう。
晃華学園では、行事の後に「ふりかえり」として自分の考えを言葉にします。以下で生徒の言葉を一部抜粋して掲載します。
・沖縄修学旅行に行く前にこんなにも貴重な体験ができて本当によかったです。映画作成に関わられている方々のお話がとても興味深くて、今までで 1 番自分が沖縄の過去に寄り添うことができた時間になったと思います。
・戦後、高度経済成長期で急速に復興・発展を遂げた本土の裏で本土の約 4 倍もの年月アメリカの占領下にあった沖縄の実情を、見て見ぬ振りはできないということを改めて実感しました。
・沖縄がアメリカに占領されていたのは知っていたが、アメリカ軍の基地から 食料や日用品などの物資を奪って食いつないでいた程だとは知らなかった。学校の教育も沖縄独自の教科書で本土より遅れていたという事実に驚いた。沖縄の人は明るい人だと思いがちであるが、「エイサー」が踊って悲しいことをはねのけよう、という思いで沖縄の人々が踊っていたと初めて知り、たくましさを感じた。
・アメリカの支配下だった時の沖縄がどんな扱いを受けていたのか、そんな沖縄でどんな人がいたのか、知っていたつもりだったのに話を聞いてみたら知らないことも多くあり、特にコザ暴動のお話にはとても衝撃を受けて感情が渦巻いていた。