2025年度

シャミナード会(1学期)

投稿日2025/6/20

 カトリック信者の生徒を中心としたシャミナード会では、信仰を育む機会としてキリスト教関係の学びや親睦を深める機会を設けています。


 2025年の聖年にちなみ、6月1日には、巡礼指定聖堂の一つであるカトリック清瀬教会を訪問して御ミサに与り、その後、30分ほど歩いて全生園、ハンセン病資料館を見学しました。カトリックの暦では「主の昇天」に当たる主日で、野口邦大神父様の司式による御ミサでは、私たちは多くの人々に支えられて生きており、そのつながりは「地上の教会」と「天上の教会」にも及ぶというお話がありました。ちょうどカトリック関口教会の日曜学校の子供達のグループとも一緒になり、清瀬教会の方々に歓待していただき、聖年にふさわしい巡礼となりました。


 ほどよい天候に恵まれ、全生園までの徒歩の道のりは、日頃の学校生活や教会での出来事を語らいながら歩き、貴重な分かち合いの機会となりました。8年前にも同じコースをたどりましたが、今回は初めて園内の「なごみ」食堂で昼食を取ることになりました。映画「あん」のロケ地にもなった場所です。映画にちなんだデザートメニューや特設コーナーもありました。食事を終えて出るときに、ちょうど入れ替わりで「あん」の原作者であるドリアン助川氏が、学生さんを率いて食堂へいらっしゃるという話を伺いました。実は2019年に本校の「聖母月行事」で講演会をしていただいたご縁があったので、この奇遇にとても驚きました。巡礼の旅路では思いがけないお恵みがあると言われますが、貴重な再会を皆で喜びました。 

 

  園内の宗教関係の建造物や、かつて入居者の方々が暮らしていた「山吹舎」を見た後、ハンセン病資料館内は、各自のペースで見学しました。この病気が歴史の中でどのように扱われてきたか、展示を見学するのも覚悟が必要ですが、ひとり一人がじっくりパネルの説明に見入っていたのが印象的です。入所者の生活、偏見や差別との闘い、文芸や芸術作品には、患者の方々の切実な思いが刻まれており、目をそらしてはいけないと思い知らされます。人権を守る不断の努力、いのちの尊さを考える大切な機会となりました。 

page top