2019年度

中学3年生 アフリカと共同宣言を出そう!③

この記事は1年以上前の記事のため、内容が古い可能性があります。
投稿日2019/8/18

ブログ②に引き続き、マタピラ小学校の小学6年生80名のから手紙が届いたときの様子を紹介します。

この手紙には

①自己紹介
②晃華学園からの質問に対する答え
③マタピラに住む子どもたちが感じる、SDGsに関する身近な課題と、ゴール達成に向けて実施できること

が書いてあります(※この記事では、③を読んだ時の生徒の様子を紹介していきます)。

手紙のやりとりの前に
マタピラ小学校の6年生と晃華学園の中学3年生は、SDGsのゴールから一つを選び、グループごとで調べまとめていく作業をそれぞれ行いました。

その内容は、担当するSDGsに関する身近な課題と、ゴール達成に向けてできることです。

マタピラ小学校のSDGsのグループ

マタピラ小学校では、このプロジェクトを行う以前から、ジェンダー格差、貧困、教育、子どもの権利など、教科を超えた横断的な問題について様々な形で考え表現してきました。その経験を踏まえて、上記の課題について手紙にまとめたのです。

晃華学園では、公民βの授業で、上記の課題について取り組み、日本における貧困や資源問題について調べ、自分達でできることを実践。そしてクラスごとでプレゼンを行い内容がシェアされました。学校内で行っているフードドライブへの参加や、これまで本校で行ってきたアデル献金に、積極的に参加しようという意見も出されました。

手紙から読み取れたマタピラ
以上のような事前学習を終えた上で、マタピラからの手紙を読んでいきます。晃華学園の生徒が読む手紙は、同じゴールを担当するマタピラのグループが書いた手紙です。同じゴールに関する手紙を読みながら、日本とマラウイのゴールに関する違い・共通点を見出してもらうためです。

晃華学園の生徒たちは手紙を読みながら、発見したことをまとめていきました。その内容をいくつか紹介していきます。

多くのグループが書き留めているのがマタピラの貧困や教育環境に関する問題です。
「彼らはお金がないため、新しい洋服を買うことができないこと」
「教科書や机、いすがない。机と椅子が無いため、床に直接座って授業を受けている」
「マタピラの学校は先生の数が少なく、教えるのに不十分な環境である」

以上のような貧困の問題が、「1 貧困をなくそう(SDGs)」以外の課題とも密接に結びついていること、晃華学園の生徒は書き留めていきます。
「お金を得るために仕事をするが、そのために学校に行かせてもらえない」
「お金を得るために、木を切って材木や薪、炭を作って売っているため、森林伐採が深刻である」

逆に、貧困の問題があるからこそ、自ずと「12 つくる責任つかう責任(SDGs)」に意識が向いている様子も書き留めています。
「マタピラの生徒たちは、使えなくなったものをリサイクルしたり、修理したりして、別の使い道を考えている。モノを大切に使っている」

その上で、生徒たちは日本とマタピラでの共通点を探っていきますが、これがなかなか難しい。
「SDGsに対する理解は共通点だが、途上国、先進国では環境が違いすぎるため、行動目標での共通点は見つからなかった」
「彼らは自身の物資が不足しているため、物を買うための資金作りを問題としているが、私たちは物が余ってしまうほど所持しているため、寄付やリサイクルすることがゴール実現への行動である。ゴール実現への行動が、環境の違いにより異なってしまったため、共通する行動を見つけることは難しかった」

このように、SDGsに関する考え方については、共通点を見つけることは出来ましたが、行動について共通点を見つけることは難しかった様子。それでも、「日本とは問題が違うが共通することがある。ゴミに関しては分別をし、リサイクルする点が共通している」のように、共通点を見出すグループもありました。

なお、生徒たちは日本よりもマタピラの方が豊かである点についても書き留めていました。自然に関することと並んで、「村や近所同士の付き合いがよさそうな点」「近所の人との交流」など、マタピラのコミュニティに豊かさを見出すグループが多くありました。

この手紙の内容を受けて、晃華学園の生徒たちはどのように行動していくのかを、次回の記事でご報告していきます。

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