2018年度

高校1年生 世界一大きな授業(学年便りから)

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投稿日2018/8/21

「世界一大きな授業」は、教育協力NGOネットワーク(JNNE)が主催し、プラン・インターナショナル・ジャパンが協賛し、文部科学省などが後援する活動で、戦争や貧困などによって教育の機会が与えられない人々が直面する厳しい現実に目を向け、教育の大切さを同じ時期に考えようという地球規模のイベントです。「世界中の子どもに教育を」を合言葉に、2003年にスタートし、2008年には、885万人参加し、ギネスブックにも登録されました。日本でも、2016年には、746校・グループの56234人が参加しました。

晃華学園では、数年前から取り組んでいますが、今年の高校1年生は、LHRの時間に、クラスごとに、JNNEが用意した「教材&ワークシート」を使いながら、各クラスの有志の生徒が講師となり、同級生を対象として「世界一大きな授業」を行いました。「生徒が生徒のために行う授業」を目指しました。

使用した「教材&ワークシート」は次のような内容でした。

①アクティビティ1:クイズ
②アクティビティ2:識字
③アクティビティ3:教育と資金
④アクティビティ4:行動する子どもたちのストーリー&動画
⑤アクティビティ5:首相・外務大臣に手紙を書こう

説明の仕方や順番、使う動画などは、クラスごとに生徒が打ち合わせをして、クラスごとに行いました。生徒たちが学んだ一部を紹介します。

【①アクティビティ1:クイズ】
Q1「世界では、どのくらいの子どもが小学校に通っていないでしょうか?」

A  5人に1人(およそ1億4000万人)
B 11人に1人(およそ6100万人)
C 25人に1人(およそ2700万人)
D 50人に1人(およそ1400万人)   答え B

このような内容の、世界の子どもたちが直面している現状に関したクイズが数問用意され、生徒たちは自分の考えを言い合います。世界の悲惨な現状について、頭の中ではある程度分かっていると思います。しかし、実情が数字で示されることで印象が変わり、理解が深まったようでした。

【②アクティビティ2:識字】
クイズを通して、世界の非識字者の現状を知り、文字が読めないことを疑似体験しました。この体験で次のようなことを学びました。

・世界の成人非識字者のおよそ6割は女性であること。
・読み書きができないことで様々な不利益を被るばかりでなく、社会的な権利が大幅に制約されること。
・識字率は基礎教育の浸透状況を測る指針として広く使われていること。

【③アクティビティ3:教育と資金】
「世界の子どもが高校まで行くのに必要な援助費=4兆円」と「世界の軍事費=190兆円」の関係を理解するために、「4兆円」と「190兆円」をリボンの長さに置き換えました。「4兆円」=リボンの長さ40cm、「190兆円」=リボンの長さ19mとなり、リボンの長さを比較することで、「教育費の少なさ」を実感しました。

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【④アクティビティ4:行動する子どもたちのストーリー&動画】
用意された動画の中からクラスごとにいくつか選びました。中でも印象に残ったのは、やはり、「国連でのマララさんのスピーチ」でした。2015年9月25日、「持続可能な開発サミット」のオープニングで、マララさんがおこなったスピーチの様子です。サミットに集まった各国のリーダーに向かって、「質の高い教育の必要性」を熱く訴えかけます。「性別に関係なく、子どもたちが安全な教育を受けられるようにすること、これこそ世界のリーダーが行うべき投資だ」と訴えたのです。生徒たちは食い入るように聞き入っていました。それぞれの心の中に「熱く迫ってくるもの」があったのではないでしょうか。

マララさんのスピーチの一部です。

「私たちは動くべきです。待っていてはいけない。政治家や世界のリーダーだけでなく、私たち全ての人が、貢献しなくてはなりません。私も、あなたたちも、私たちも。それが私たちの務めなのです。」

【⑤アクティビティ5:首相・外務大臣に手紙を書こう】
最後に、首相と外務大臣へ、「わたしたちの政策提言」として、次の内容の手紙を書きました。

・世界中の子どもが学校に通えるようになるために、日本政府にお願いしたいこと
・「世界一大きな授業」をやって感じたこと、考えたこと

用意された「教材&ワークシート」を使った授業でしたが、講師の生徒が授業内容の順番を考え、同級生の反応に応じて、自分の言葉で世界の実情を語り、厳しい現実の中で苦しんでいる子供たちについて学びました。人前に出て自分の言葉を使って自分の気持ちやメッセージを相手に伝える経験、この経験は今後の生徒たち内的成長に結びついていきます。「主体的に動き、同級生と協働する」有意義なLHRでした。

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