2/10(土)、本校で中学2年生対象の能楽ワークショップが行われました。
能楽ワークショップとは、本校のユネスコスクールとしての学習の一環で行われている、日本の伝統芸能を学ぶためのワークショップで、中学2年生全員が参加します。(今回は、海外から晃華学園に留学に来ている高校生も特別に参加いたしました。)
生徒達はグループに分かれ、各教室にいらっしゃる講師の先生の稽古をうけます。
いらしてくださった講師の先生方というのも、
シテ方
亀井 雄二 様 澤田 宏司 様 東川 尚史 様 内藤 飛能 様 (いずれも宝生流)
囃子方
笛 − 藤田 貴寛 様 (一噌流)
小鼓 − 飯富 孔明 様 (大倉流)
大鼓 − 大倉 慶之助 様 (大倉流)
太鼓 − 林 雄一郎 様 (観世流)
という大変高名な方々ばかり!貴重なお時間を頂戴して、本校の生徒のために来ていただきました。先生方、誠にありがとうございました。
各教室では、講師の先生方が生徒一人一人に丁寧に指導してくださいました。私も生徒の様子を見学しておりましたが、笛は全く音が鳴らず、鼓はベチッという響きの無い音が響いてしまい、初めはやはりとても難しいようでした。それでもたまに良い音が響くと、見ている生徒からは拍手が。講師の先生もやさしく褒めて下さり、生徒は非常に充実した時間を過ごしているようでした。
また、囃子方の稽古だけではなく、舞台上での動き方の稽古も受けることができました。基本の構えからすり足、感情を表す動作の練習に加え、代表1名に能面をつけさせていただくというとても貴重な体験をさせていただきました。能面は非常に大切にしているものらしく、能の世界では“人間はいくらでも代わりがいるが、能面は二度と同じものは作れない”という言葉があるほどなのだそうです。つける際はきちんと一礼をして、敬意を示してからでないといけません。留学生も特別に能面をつけましたが、「顔の角度によって表情が変わる」という能面の特性に大変驚いているようでした。
稽古の後、ワークショップの総まとめとして講師の先生方の能が上演されました。
演目は『船弁慶』で、今回は後半の内容を演じていただきました。シテの亀井様が身に着けている衣装は、大変立派なもので、1人では着ることができません。上演の前には、その衣装をいかにして身に纏うのか、その様子を実際に見せていただきました。着付けの際のマナーの細かな部分にも、能という一つの芸術に対する講師の先生方の熱い想いが感じられ、上演がより素敵なものに感じられました。
貴重な経験づくしであった能楽ワークショップでしたが、生徒たちは大変充実した時間を過ごしていたように感じます。最後に亀井様から、「能というものが存在して、今も伝統として残っており、それを大切にしている人々がいるということだけでもわかってもらえたら嬉しい」というお言葉を頂戴しました。これからを生きる生徒たちは、日本だけではなく世界で活躍していきます。その際、日本が大切にしている伝統の一端でも経験しておくことで、それらの大切さや荘厳さを強く感じることができ、他国の伝統も尊重できるようになるのではないでしょうか。
生徒が芸術や文化への造詣を深めることで、物事への深い洞察力を学び、様々な背景を持った他者をより幸せにできる存在になりますように。晃華学園の能楽ワークショップには、そんな気持ちが込められています。
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