2026年度

聖母月行事

投稿日2026/5/27

風薫る5月はカトリックの暦で聖母マリアを讃える美しい季節です。晃華学園では毎年、講演者をお招きして、平和やいのちの大切さを考える機会を持ちます。今年度は、本校の卒業生でもある松橋阿子さん(東京大学・脳神経外科医)をお招きして、「目の前の命を救い、まだ見ぬ誰かの未来を創る―脳神経外科医として歩む2つの道」という演題でお話を伺いました。

小学校から晃華学園で学んだ松橋さんは、ご家族の転勤でアメリカに移住した直後、「9・11」の同時多発テロに遭遇し、大きな衝撃を受けました。しかし、アメリカでの経験を活かして、医師として臨床に携わるようになってからもアメリカの医師免許を取得し、また、脳外科の分野で世界に通用する研究者になりたいという希望を持っています。
中1で晃華学園に復学してからは、勉学以外にも聖歌隊に所属し、合唱コンクール委員長を務め、趣味のヴァイオリンを究めるなど、のびのびと学園生活を謳歌していました。
医師を目指すようになったのは、中学生の頃に目の当たりにした医療関係者の仕事ぶりに感銘を受けたからだそうです。ご自身の研修医時代の奮闘ぶり、実際に執刀する場面の説明、脳外科医としての重い責任、患者の方やご家族の方にどのように寄り添うか、医学の最前線の研究のお話を分かりやすくしてくださいました。
2019年に教皇フランシスコが来日した際、イエズス会の神父様たちとの面会を実現させるために、医療スタッフとして援助した貴重なエピソードも披露してくださり、カトリック信者でもある松橋さんご自身にとっても得難い経験だったと語られました。
後輩にあたる在校生へのメッセージとして、晃華学園の教育理念でもある「ノーブレス・オブリージュ」の精神、シスター・渡辺和子の「置かれた場所で咲きなさい」という言葉を贈ってくれました。
質疑応答では、たくさんの質問が寄せられ、受験期をどう乗り越えたか、医師としてのやりがい、女性のキャリア形成、ワークライフバランスなど、多岐にわたる内容に対して、松橋さんは終始、朗らかな笑顔で丁寧に回答されていたのが印象的です。
誰でも頑張らなければならないときがある、新しいことにも恐れずチャレンジする勇気を持つこと、小さな努力を惜しまず積み重ねていくことなど、生きていく上で大切な姿勢を、身をもって示してくださいました。医療の道を目指す生徒たちにはもちろん、多くの生徒にとって、松橋さんのお話は大きな希望を与えてくださいました。同じ学び舎で過ごした先輩、後輩の素晴らしい交流の機会となりました。
(生徒の振り返りより)
・お医者さんは患者さんの命を救うだけではなく、残された時間をできるだけ幸せに過ごせるようにすること、患者さんや家族の不安な気持ちに寄り添うことなど、色々な方面で活躍することを再認識できました。どんなに治すのが難しい病気であっても、目の前にいる人を一生懸命救おうとする姿はとてもかっこいいと思いました。
・自分の経歴を全く誇ることなくさらに高みを目指し続けている松橋さんのお話を聞いて、女性が少ないといった周囲の環境を言い訳にせず、自分軸を持って諦めないその姿勢にとても憧れを持ちました。

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