先日、NPO法人世界遺産アカデミー主任研究員の講師の先生をお招きし、世界遺産講演会を実施しました。本校は「ユネスコスクール」の加盟校であり、毎年中学2年生を対象に世界遺産に関する知識を身につけることを目的として講演会を実施しています。奈良と京都には世界遺産が数多くあるため、中2の3月に実施する学習旅行の事前学習の一つとしても位置付けています。
ご講演では、ユネスコと世界遺産条約について、世界遺産としてみる京都と奈良、パリと京都の街並の比較、京都の観光課題、法隆寺地域の仏教建造物群についてお話をいただきました。多くの生徒にとっては、世界遺産は観光名所の一つというイメージが強かったようですが、ご講演を通して私たちが世界遺産を学ぶ意義を具体的に知ることができました。
生徒はこの講演会を通して様々な気づきを得たようで、次のような感想が寄せられました。学習旅行の意義をより深く理解するだけでなく、世界遺産を通して世界中の人々の暮らしや文化を知ること、それが平和につながっていくことなどについて、考えるきっかけになったようです。
晃華学園では、行事の後に「ふりかえり」として自分の考えを言葉にします。以下で生徒のふりかえりから一部抜粋して掲載します。
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寺社の柱の木の一部のみをくり抜いて交換しているというのには驚きました。古い木を残していくことも大切なのだと気付かされました。学習旅行で寺社などの古い建造物を回るときには、このような修復においての工夫を探してみるのもいいと感じました。
「奈良京都」と並列して語られている、二つの日本の昔の都には大きな違いがあることを知りました。私は来年の学習旅行を通して、奈良と京都の歴史の違いが現在にどう通じているのかを自分の目で確かめてみたいと思いました。
ユネスコ憲章前文には、「人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不信を起こした共通の原因 」とあります。このことを、世界遺産を通じて考えていければ良いなと思います。
「互いを知れば戦争は起こらない」と聞いて、衝撃を受けました。世界遺産はただ文化を守るだけでなく、多くのものに関連している平和のシンボルなのではないかと思いました。知り、保存し、伝え、活かす。このサイクルがどれだけ重要かを改めて感じました。
世界遺産は世界中の大切なものをその国の中だけではなく世界中で守ったり、遠くの住む人々にも国々の文化や自然の象徴を知ってもらうためにあるとおっしゃっていました。私は、この考えにとても共感しました。人同士の大切にするものが同じだとそれが結びつきになり、平和にもつながると考えたからです。