新緑が照り映え、色とりどりの花が咲き乱れる5月は、聖母マリアを讃える聖母月です。この時期は、有志の生徒、教員が昼休みになるとアデルホールに集い、「ロザリオの祈り」を行います。
ロザリオは、カトリック教会で長く大切にされてきた祈りです。「アヴェ・マリア」への祈りを唱えながら、「薔薇の冠」に見立てられたロザリオの珠(たま)を一つ一つ繰り、静かに黙想をします。中学生は宗教の授業やLHRを通して、美しいビーズを使って、ロザリオを制作する機会もあり、晃華学園でも馴染みのあるお祈りです。
コロナ禍では、一堂に会することが制限されていましたが、今年度は週3回、続けることができました。生徒たちはロザリオをデザインした「お祈りカード」を使い、参加する度に、ばらのシールを貼っていきます。最終日には、聖母マリアをかたどった「おメダイ」が生徒にプレゼントされました。
わずかな時間ではありますが、共に「アヴェ・マリア」の祈りを捧げる時間は、慌ただしい日常からフッと解放され、自分を見つめたり、世界の状況に目を向けたりするひとときです。宗教部の先生たちが交代で先唱を努め、皆で声を合わせて祈るとき、皆で祈ることができる喜びを感じ、人に支えられて生かされていることに気づかされます。自分と「隣人」を共に大切にすること・・・この小さな祈りが平和の実現への第一歩だと思いながら、これからも続けていきたいと思います。