緊急事態宣言より前から休校となり、大人の社会より一足先に自粛に入ってしまった晃華生達。
これまで「他者のために」を学んできた生徒たちは、行われるはずだった授業・行事・部活などをすべて我慢し、家にいることが一番だということを理解し、行動してくれました。
真面目で優しい晃華生ですから、はじめのうちは問題なく自宅で過ごすことができていたでしょう。しかし、大人ですら経験したことの無い未曽有の事態に対し、不安を募らせていく部分もあったはずです。それらを少しでも軽減できるよう、見慣れた担任・授業担当者・級友とつながり、生徒自身が少しでも「私は晃華生だ」ということを実感できるよう、本校では様々なツールを用いて生徒と学校とのつながりを確保してきました。
休校直後は、教育用プラットフォームであるClassiを用いて、生徒への連絡や課題配信、アンケート機能を用いた生徒-教員間のやり取りなどを行いました。
本校では、iPadを既に5年前から導入・活用し、生徒のICT環境を整備してきました。iPad自体も、このClassiも、生徒にとっては使い慣れたツールであったため、大きなハードルもなくスムーズに移行することができました。
また、休校開始直後から、スタディサプリの利用を全校生徒に拡大し、活用してきました。生徒は指定された動画を閲覧し、不足分を補うために教員が作成した課題・Classiのwebテストなどに取り組みます。
その後本校では、より深く確かなつながりを生徒と学校間で確保するために、新たに生徒用のOffice365のアカウントを用意し、Microsoft Teamsを用いて生徒との双方向の連絡・オンラインHR・オンラインLHR・オンライン授業などに取り組みました。
Teamsのチャネル機能を用いて、生徒と教員間で双方向の連絡・課題提出など様々なやり取りを行いました。教員側だけではなく、生徒の側からの発信、生徒同士の意見交換等も行うことができます。
オンライン会議機能を用いて、リアルタイムでHR・LHR・授業を行いました。マイク機能・カメラ機能などを適宜活用し、生徒の様子をきちんと把握しつつ授業を進めています。
また、リアルタイムのものだけでなく、録画した映像を配信する「オンデマンド授業」も、Office365のサービスの1つであるMicrosoft Streamを活用して行っています。
晃華学園のStreamには、リアルタイム授業が録画されたものも、オンデマンド授業の映像も、すべて保存されていきます。他の動画サイト等とは異なり、Streamに入れば、晃華学園の9教科の学びのみに集中し、必要な授業をいつでも何度でも閲覧することができます。対面での個別の質問対応が難しい分、生徒たちは繰り返し動画を閲覧して、理解を深めているようです。5月末の時点で、なんと800本以上の動画が保存されています。
教員から生徒への一方向だけの授業だけではなく、双方向型の授業を行うなど、各教科で工夫を行っています。スタディサプリと組み合わせ、反転学習のような形式で授業を進める科目も複数あります。
また、特定の教科のみの授業を進めるのではなく、すべての教科で授業を行い、生徒の学び・成長全体を支えています。
[外国語:ピクトグラムの説明を生徒が英語で行う授業]
[体育:休校中のオススメのトレーニングを紹介する授業]
[物理:重心に関する実験動画]
[化学:硫化鉄の実験動画]
[数学:質問対応授業]
[Writing:ネイティブ教員によるプロジェクターを活用した授業]
Teamsはビジネス向けに設計されている分、情報を自分できちんと収集する必要があります。そのため、”情報の取り方アドバイス”の動画を作成し、全生徒に配信するなど、情報リテラシー教育の一環としての取り組みも行っております。
晃華学園ではこれまでも、活用を広げるにあたっては、必ずICTリテラシー教育とセットで指導を行ってきました。この動画もその取り組みの一つです。その効果か、教員の目が届きにくいとされるオンライン授業でも、トラブルなく活用を進めることができています。
生徒は、学校を通して購入したiPadで、これらのコンテンツを視聴しています。このiPadには教育用の設定がかかっており、学校のiPadに触れている間は、学習のみに集中できるようにプロファイルが設計されています。
また、肖像権や、タブレット端末を長時間使用してしまうことによる体調不良などのことも考慮しています。学校の全てのことをデジタルで行うのではなく、生徒の安全や健康を最優先として、極力短い時間で映像授業などを行うようにしています。生徒へのガイドラインもきちんと示し、安心して機能を活用できるように配慮しております。
この他にも、Office365の機能を用いて、WordとOnedriveで課題を配信・回収したり、Formを使用してリアルタイムの集計をとったり、assignment機能を用いて論文の添削をしたりと、様々な実践を行っております。休校を契機に始まったこれらの取り組みですが、分散登校が始まった後も、並行して活用していく予定です。
晃華のICT機器活用は、本校の生徒の使命である“人のために人と共に生きる「光り輝く華」に”を実現するために存在しています。生徒自身が持っている能力が、より多くの人のために使われるように、ICT機器が活用されることを願っております。
晃華の生徒・ご家族・晃華に関わる全ての人々、そして世界中のすべての人々が、この苦難を乗り越え、穏やかな日常が戻ってきますように。また、本校の取り組みが、それらの一助になりますように。
晃華学園では、今後も様々な取り組みを進めて参ります。