2019年度

中学3年生 卒業論文中間報告会

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投稿日2019/11/20

晃華学園では中学3年生の卒業時に「中学卒業論文」を執筆します

執筆の準備のために、中学2年次に「中学生が『卒業論文』を書くにあたっての心得」を配布。

この心得を通じて、、、

“論文とは何か、レポートと何が違うのか”
“問と仮説を立て調査をしよう”
“正しい引用方法”
“情報の集め方”など

論文を書くにあたっての基本的な作法を学びます。この作法を前提に、各自生徒はテーマを模索。
中学生の掲げるテーマは、最初は「地球を救うには」などといった大きなテーマであることが多いのですが、そのような論文は研究者でも執筆が難しい。そこで、担任や教科担当者との面談を重ねながらテーマを絞り込んでいきます。

そして、中学3年次にテーマを決定し本格的に執筆を開始します。今年は、、、

・なぜ、1998年に被害者が勝訴したのに、ハンセン病患者は診療所から出られないのか
・納豆の秘密を暴け!
・キムチの美容効果
・東京ディズニーリゾートは今後どうあるべきか
・日本の解剖率の低さについて

など多種多様なテーマが!

夏休みには「予備論文」と称して、最低4000字で論文を提出してもらいました。中には4000字を軽々越えていく超大作も。

そして2学期、卒業論文中間報告会が行われます。この報告会では、「予備論文」をkeynote(Appleのプレゼンテーションアプリ)にまとめ1人3分30秒程度で、中学3年生全員がプレゼンしていきます(ICT教育はこちら)。


そしてオーディエンスは、同級生である中学3年生だけでなく後輩である中学1年生も!
2年後に論文を執筆する中学1年生にとっても、先輩の研究テーマや方法・プレゼン方法を知る良い機会となります(この経験を学びに変えて、プレゼンを行った中学1年生の様子はこちら)。

「後輩がいるので緊張する!」などと言いながらも、中学3年生は慣れた手つきでkeynoteを作成。思い返せば、職業体験プレゼン(中学1年次)修学旅行事前学習プレゼン(中学2年次)・修学旅行事後学習プレゼン(中学2年次)と、プレゼン機会に恵まれてきたため、プレゼン準備は慣れたもの。

こうして11月2日、卒業論文中間報告会の当日を迎えました。

発表を終えた中学3年生のふりかえりをご紹介します。お互いの研究を知ることで研究に関する新たな発想を獲得し、研究を進めるヒントとなったようです。

 〇〇さんの発表(納豆に関する研究)が良かった。卒論のテーマにする着眼点が、普段良く考えないと思い浮かばないことで、すごいと思いました。実験に関しても、多くの種類の豆を、同じような方法・条件でしっかりと比較実験になっていた所がすごかったです。それと比べて、自分の卒論がただのまとめになってしまっていると思った。今後はテーマを見直し、具体的にいくつか問いを立てて研究したいと思う。

 論文とひとくくりにしても、色々な形式の発表があって驚いた。知らない分野の比較研究なども面白く、分かりやすく伝えられていたため参考にしようと思った。データが本当に因果関係があるデータなのか、相関関係でないのか気を付けて調べたい。

 自分の調べたことと、(そのほかの人が行った)実験結果を比べている人が何人かいました。私も、同じような実験をしている人の論文を見て、自分の結果と比較し、その差が何であるかを研究していきたいです。

 私が参考になったプレゼンテーションは、茶葉と遅霜予報・防霜ファンとの関係についてのプレゼンテーションです。私の研究とは全く異なる分野の発表でしたが、テーマ・仮説・結果がシンプルではっきりしていたため、それら3つのつながりがとても良く分かり、聞いている立場の私は、もっと聞きたいと思えるようなプレゼンテーションでした。

卒論の提出は3学期の初日。教員が“うなる”ような研究を期待しています。

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