マタピラの小学生と晃華生によるテレビ電話の翌日から、マタピラ小学校では共同宣言の行動目標部分の作成が行われ始めました。晃華学園からの手紙を見ながら、グループごとに真剣に話し合いを進めていきます。
一方、晃華学園でも共同宣言の行動目標について、最後の詰めの作業が進んでいました。
7月16日、マタピラ小学校の行動目標が晃華学園に到着。マタピラ小学校と晃華学園での視点や書き方の違いを実感しつつ、マタピラの行動目標を参考に、晃華学園のマラウイ委員が既に作成していた宣言に修正を加えます。
そして遂に、「晃華学園中学校・マタピラ小学校共同宣言」の文面が完成。
最後の仕上げは、晃華生の代表による署名。
7月20日の終業式後、共同宣言のお披露目も兼ねて、中学3年生全員が見守る中で共同宣言の署名式が行われました。
冒頭、代表生徒により共同宣言の日本語訳がよみあげられていきます。
晃華学園中学校・マタピラ小学校共同宣言
前文
このアジェンダは、持続可能な開発のための行動計画である。
貧困により、夢を諦めなければならない人が多く存在する世界を変えていけるよう、
すべての人が平等な機会を持ち、文化を互いに尊重しあい、平和で安定した社会を実現させることが必要条件であると認識する。
宣言
私たち晃華学園中学校3年生・マタピラ小学校6年生は、
互いの自然的環境、及び格差是正などといった社会的環境の改善を実現するため、
国家の枠を超えて国際問題を捉えることが必要であるという考えに基づき、
それぞれが一市民としてコミュニティに属し学び続けるとともに、
大人への具体的な情報発信及び文化の共有、尊重を実行していくことをここに宣言する。
行動目標(マタピラ小学校)
私たちマタピラ小学校6年生は、日本との交流を通じて、課題解決のためのアクションを考えました。
1.私たちは、より多くの木を植えます。マタピラにおいても、日本においても、世界のどこにいても、木は私たちにとって生活や健康に欠かせない大切なものだからです。
2.私たちは、責任ある市民であるために、学校で沢山勉強します。責任を持ってコミュニティに属し、社会に関わり、より良い世界をつくる一人の市民として、勉強し続けることはとても大切なことだからです。
3.私たちは、壊れてしまったものを、リサイクルして何度も使います。私たちはこれまで、モノがなければ手作りし、壊れれば直し、一つのモノを長い間使うということを続けてきました。しかし、自分で直せないもの、古くなってもう使えないもの、例えば最近では、皆が履いているプラスチックシューズなども、リサイクルしてまた新しい製品に生まれ変わることができるのです。自分で直せないものは、リサイクル業者に責任を持って受け渡します。
4.私たちは、私たちの環境を清潔に、美しく保つ努力をします。私たちのコミュニティ、国、地球がずっと、私たちにとって住みやすい場所であるために、私たちには環境を清潔に美しく保つ責任があります。
行動目標(晃華学園中学校)
1.国連に貧困への支援の拡充を要求するために努力し、
2.募金活動やその他の寄付を通して、世界中の人々が幸せに生きるための援助に取り組み、
3.技術者と講師の拡充のため、自らも学び続け教育の知識を増やし、
4.各国政府にインフラ整備の重要性を強調し、
5.生活的・環境的物質と自然との共存へ向けた知識を共有し、
6.新エネルギー源の確保を二カ国に勧め、
7.森林伐採の撲滅ならびに植樹の重要性を留意し、
8.浄水、耕作を新たな知識として共有し、
本アジェンダにおいて、私たちが得た知識を伝える必要性を再確認し、先進国と発展途上国の枠を超え、環境保全と情報共有を目的に行動する。
続いて、生徒により共同宣言に関して、次の点が解説されました。
・前文はA組の共同宣言がベースになっていること、そこにC組の「国の文化を尊重した交流をしよう」という言葉が形を変えて組み込まれていること。
・B組から発案された寄付に関する取り組みが、行動目標に反映されていること。
・宣言にある、「国家の枠を超えて国際問題を捉えることが必要であるという考えに基づき」は、「平等」・「格差の無い」ということを意識したD組の共同宣言が元になっていること。
・そして、マタピラ小学校のコミュニティを意識した行動目標を踏まえて、「それぞれが一市民としてコミュニティに属し学び続けるとともに」という言葉が宣言に加わっていること。
最後に生徒代表者から、
この共同宣言はマラウイ委員が作ったのではなく、晃華学園の中学3年生とマタピラの小学校6年生全員によって作られた共同宣言である。そして宣言を作って終わりではなく、実現のために行動をして行くことが重要だ。
ということが述べられました。
なお、署名式では晃華学園の代表者8名が署名をしましたが、署名欄はまだ3つ残っています。この3つはマタピラ小学校の代表者のための署名欄です。本当の完成は、この3つに名前が刻まれたその時です。
晃華学園の生徒の名前が刻まれた共同宣言は、7月22日マタピラ小学校に向けて発送されました。
なお、共同宣言が到着する前に、マタピラ小学校ではプロジェクターを使って英語版の共同宣言の読み上げ式が行われました(マタピラ小学校の7年生の教室にはプロジェクターが設置されています!)。
マタピラ小学校の教室に投影される共同宣言
マタピラ小学校の先生が、チェワ語(マラウイの公用語)に訳しながら意味を確認した後、6年生が分担しながら共同宣言を英語で読み上げていきます。
最後に、”Clap your hands for everyone in classroom. Clap your hands for KOKA learners too.”と、青年海外協力隊の方が言うと、教室は大きな拍手に包まれました。
こうして、晃華学園の中学3年生とマタピラの小学6年生全員が共同宣言の内容を確認しました。後は、マタピラ小学校への共同宣言の到着と返送を待つのみです。
3人の名前が刻まれた共同宣言の待ちつつ、生徒たちは共同宣言を実現するべく、何をするべきか考えていきます。
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