今回のプロジェクトに積極的に関わりたい有志の生徒を、「マラウイ委員」として募りました。学年から20名程度の生徒が立候補し、複数回マラウイ委員会が開かれました。
当初は、共同宣言の進め方について話し合うための会議でしたが、手紙を読んだ後ということもあり、いくつかの企画が生徒から提案されました。
・文房具を寄付する…マタピラで、文房具が不足していることを知り、えんぴつや消しゴムなどを回収して送りたいという意見が出されました。
・遊びの輸出…マタピラの小学生は、放課後、遊びながら親の帰宅を待つこともあるそうですが、その時にできる遊び(だるまさんが転んだなど)を、教えたいという意見が出されました。
「人のために人と共に生きる」ということを常日頃から伝えている本校にとって、マタピラの状況に対して働きかけを行いたいと考える生徒が出ることはごく自然なこと。また、国内に対しても、次のような企画が出されました。
・書籍回収…本やCDアルバム・DVDを寄附することで、日本国内で本等を必要としている人に使ってもらう。
しかし、このような日本がマラウイを支援して「あげる」という姿勢に疑問を投げかける、次のような意見が出されました。
共同宣言を出す以上、「対等な立場」であるべきであって、上から目線で支援をするという関係であってはならないのではないか。
これを踏まえて、まずは対等の関係で共同宣言を出し、互いに理解を深めた上で、支援を行っていこうという形で会議はまとまっていきました。
こうして、生徒は共同宣言作成に向けて力を注いでいきます。
共同宣言の形式に関しては、手紙の内容を踏まえ、同じ行動目標を宣言するのは困難であるため、共通部分を作りつつ、行動目標はそれぞれ違うものにするということが決まりました。
同時に、問題も浮上しました。それは、マラウイに関する状況が少なすぎるということです。そこで、急きょ青年海外協力隊の方とテレビ電話をすることになりました(※このプロジェクトは、マタピラで教員のアドバイザーをしている青年海外協力隊員との連携協力で実現しています)。
テレビ電話は30分程度しかできません。そこで、マラウイ委員がクラスで質問を募り、事前に青年海外協力隊の方に伝えることで、より多くの質問を答えてもらう計画になりました。「晃華学園との交流で、マラウイの子たちはどのような気持ちか」という、対等な立場でこのプロジェクトに臨みたいという想いが現れる質問や、「マラウイは世界最貧国の一つと言われているが、本当に貧困なのか」といった、手紙を読んで知ったことを、さらに深堀するための質問が集まっていきました。
こうして、6月20日、日本時間午前7時40分、マラウイ時間午前0時40分、青年海外協力隊の方と、有志の生徒20名程度によるテレビ電話が行われました。
生徒たちはやや緊張気味でしたが、「マラウイの情報を一言も聞きもらさないぞ」という気迫を感じられる集中力で、テレビ電話に聞き入っていました。予定の30分を過ぎたことにも気づかず、熱気と共にテレビ電話は終了。青年海外協力隊への「ありがとうございました」が終わると、「そういうことか!」「これをどうやってクラスでシェアする?」といった話し合いが即座に始まりました。
共同宣言はクラスでまとめた後、学年でまとめるという予定。そしてクラス内共同宣言を出すのは6月22日。生徒たちには2日しか時間がありませんでした。
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