中学1年生の数学の授業で、図形の回転移動と対称移動についての学習を、iPadを活用して行いました。
1学期中間考査までに、文字式の計算までの内容を一通り学習した1年生。テストが明けてからしばらくは、幾何の内容を扱いました。
中学生の幾何は、「線分」「直線」「半直線」など、これまで慣れ親しんできた図形の正式名称を覚えるところからスタートします。その後、線対称・点対称などの復習を行い、図形の移動について学習します。
平行移動、回転移動、対称移動の基本的な部分の学習を終えた中学1年生と、次の問題に挑戦しました。
『次の回転移動を、対称移動で表せ。』
考える際は、ワークシートにかきこんでも、自分のiPadを用いても良しとしました。
普段からPBL(Project Based Learning)に慣れている生徒達は、周囲と相談したり、個人でじっくり試行錯誤したりを繰り返し、課題解決に向かいます。
iPadで考える際は、「Geogebra」というアプリケーションを用います。
紙の上では表現不可能な“図形が動いていく様子”を、体験的に学ぶことができます。
相談もして、iPadも動かして、ワークシートにもたくさん線を書き込んで…
生徒達が主体的に課題解決に取り組んでいる様子が多く見られ、授業していてとても楽しく感じられました。
この授業の課題である『次の回転移動を、対称移動で表せ。』は、実に多くのステップを含んだ課題になっています。
・問題文の意味を理解できるか
・図を見ただけで、どんな回転移動が行われているかが理解できるか
・「対称の軸をどこに設定するか」を考えるべきであるということに気付けるか
・問題文に“1回の対称移動”とは書いていないことに気付けるか
・自分の行った方法は本当に正しいか(見た目が正しいだけ になっていないか)
・どんな回転移動でも可能なやり方はあるか
・どんな図形の移動でも可能なやり方はあるか
・すべての回転移動はいつでも対称移動で表せるか
・反対に、対称移動は回転移動で表せられないのか
中には、どんどん先のステップに進んでいく生徒もいました。先のステップに進んでいける生徒が、より多くの議論を生み出してくれる存在に少しずつなれるよう、手助けしていきたいと考えています。
晃華学園の生徒には、人のために人と共に生きるという大切な使命があります。
時には最先端の機器を用いて、また時には自らの思考力・表現力を用いて、周りの人と共に問題を設定し解決していく力をつけ、これからの未来を生きていってほしい。
晃華学園の授業には、私たち教員のそんな願いが込められています。
【過去の数学科の授業報告記事】