先日、中学生の視聴覚行事で、「father カンボジアへ幸せを届けたゴッちゃん神父の物語」の映画を鑑賞しました。「ゴッちゃん」とは、カトリック吉祥寺教会の後藤文雄神父様(2015年撮影当時86歳)。晃華学園では、長年にわたり卒業式ミサや静修会を通して、大変お世話になってきた、おなじみの神父様です。カンボジアで内戦が起こり、日本に逃れてきた難民の子ども達を14人も育て上げ、いまでも現地に19校の学校を作り、支援を続けておられます。情熱的で愛情深く、正義感の強い神父様…その半生を綴ったドキュメンタリー映画です。
生徒たちは、事前に神父様の生い立ちや活動について、ポル・ポト政権の残虐な殺戮などに触れていたものの、中学生たちにとっては、直接お会いしたことのない「おじいちゃん」、誕生会でマラカスを振ったり、お酒を飲んだり、気さくで親しみやすい「ゴッちゃん」が画面に登場し、屈託のない笑いがこぼれました。やがて神父様の壮絶な人生が展開されます。ご自身が体験した故郷長岡での大空襲、最愛の母親を失い、浄土真宗の実家を離れて、カトリックの神父の道へ。そしてカンボジア難民の里親となる…。波瀾万丈な神父様の生きざまに圧倒され、生徒たちは自分の生き方について思いをめぐらしました。
以下は生徒の振り返りです。
「私はこの映画を通して、後藤神父様はマザー・テレサのような存在だと思いました。(中略)私はこれからの自分の生き方について、貧しい人々や戦争などで苦しんでいる人々に、アデル献金(=晃華学園で実践しているフィリピンの学生の就学支援)などをして、少しでもたくさんの人々に、安全で楽しい毎日を送ってほしいと思いました。」
「私は、最後に神父様がおっしゃていた『他の人を幸せにすることで、自分も幸せを得ることができます。私はカンボジアに行くことで、子ども達の幸せを見て、自分の幸せをも確認しているような感じです』という言葉がとても印象に残った。(中略)神父様はカンボジアのこどもたちを自分の子どものように丁寧に育てていて、国境も何もないのだ、と私は感じた。」
「こんなにも心の広い人がいるのだと、心があたたかくなりました。(中略)後藤神父様の、自分が生きている限りはカンボジアの子ども達のために尽くそうという精神は、晃華学園の目標の一つでもある『ノーブレス・オブリージュ』の精神と似ているのではないかと思いました。どんな人にでも、言語が違っても明るく接する後藤神父様から、人と人とのつながりを学びました。」