12月はクリスマスを迎える待降節(アドヴェント)の時期に入り、校内は一気にクリスマス・ムードに包まれます。
宗教委員はクリスマス・ツリーやイエスが生まれた場面を再現する馬小屋(プレゼピオ)を準備し、アドヴェント・カレンダーやリースを飾り、各学年では、お世話になった方々へクリスマス・カードを贈り、感謝と喜びに満たされます。
「主イエスのご降誕を待ち望む」というプロセスを経て、2学期の終業式は、全校生徒がクリスマス・ミサに与ります。
ミサに先立ち、宗教委員による「光の行列」(キャンドル・サービス)が行われ、会場の照明が消えた中で、ろうそくの光が暗闇を照らします。さらに放送研究同好会による「クリスマス物語」の朗読では、『戦争をやめた人たちー1914年のクリスマス休戦』が読み上げられました。史実に基づいた物語で、第一次世界大戦中のクリスマス・イブに、銃声ではなくクリスマス・キャロルが響き渡り、敵同士の若者たちがサッカーを楽しむ様子が、生き生きと語られました。今なおウクライナやガザでの悲劇が続く中、隣人を思いやる想像力、身近なことから平和を希求する大切さが心に刻まれました。
そして、冨田聡神父様(秋津/清瀬/小平教会)の司式によるクリスマス・ミサでは、「さあ、皆さん」と力強く呼びかけ、ネットの情報が氾濫した現代社会の中で、私たちがいかに移ろいやすいきらびやかさや快楽を追い求める生活に慣らされているか、と警鐘を鳴らす言葉が語られ、イエスの誕生、そしてヨセフとマリアの旅が、闇路を歩む道程であったことを思い起こさせるお話でした。暗闇の中で見た光(=世を照らす救い主の誕生)が、真実の救いであること、小さな幼子の姿でこの世に遣わされたことを熱く語りかけてくださいました。ミサの最後には、これから受験に立ち向かう高3の生徒たちが祝福を願って長い行列を作り、聖歌隊が美しい歌声でミサを支え、神父様はひとり一人にクリスマスの特別な祝福を与えてくださいました。希望に満ちた雰囲気の中で、クリスマスのお祝いをして、受けるよりも与える喜びを知る、貴重な機会になったともいます。
2025年はカトリック教会が定める聖年にあたり、ゆるしと和解の年となります。様々な紛争や分断が絶えない現代において、他者tと共に歩む一年となることを願っています。