2023年度

第59回晃華学園高等学校卒業式告辞

投稿日2024/3/31

先日まで寒い日が続いていましたが、今日は一転してすっかり暖かくなりました。そよ風に春の息吹を感じるこの良き日に、卒業式を挙行できますこと、大変嬉しく思います。 

本日はご多用にもかかわらず、多数のご来賓の皆様のご臨席を賜りました。心より感謝申し上げます。 

また、保護者の皆様におかれましては、お嬢様の晴れの姿を目の当たりにし、これまでの18年の歳月が思い出され、お喜びもひとしおのことと存じます。まことにおめでとうございます。 

そして、さきほど卒業証書を授与しました144名の第59期卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんが中高6年間で立派に成長し、この日を迎えることができたことは、私たち教職員にとってもこの上ない喜びです。 

年を取ると時間が早く過ぎる、と言いますが、私のような年齢の者には1年はまさにあっという間に過ぎるように思われます。それでも、振り返ってみますと、この6年間にはいろいろな出来事があり、6年前とはすっかり変わってしまった自分に驚きます。多感な時期である中高時代を過ごしてきた皆さんは、なおさら大きな変化を経験したことでしょう。 

皆さんは2018年に晃華学園中学校に入学しました。その後6年間で世界も大きく変化しました。2020年に始まった新型コロナの流行は、私たちの生活に厳しい制約を課し、大きな影響を与えました。世界中で多くの方々の命が奪われ、いまだに多くの方々が苦しみの中にあります。 

また、平和をおびやかす多くの出来事がありました。米中の緊張関係の高まり、ウクライナとロシアの戦争、中東における紛争など、世界の至るところで悲惨な争いが起き、いまだ解決の見通しが立っておりません。 

さらに情報通信やAIなどの技術革新が猛烈なスピードで進み、私たちの生活を大きく変えています。まさに世界は6年前から一変した、と言ってよいでしょう。私は世界規模での出来事が自分の生活に影響していることを、かつてないほど意識するようになりました。皆さんも、そのような世界の大きな変化を感じながら、将来の生き方を模索してきたのではないでしょうか。 

晃華学園の教育理念の一つに「変化に適応できる教育」があります。変化が大きく、先の見通せない時代に、この理念を実現することは容易なことではありません。私たち教職員も試行錯誤を続けてきましたが、日々の授業で、行事で、クラブ活動や課外活動で、ときに私たちの想像を超える成長を見せ、困難を乗り越えてゆく皆さんの姿にどれほど励まされたことでしょう。卒業生の皆さんには、改めて感謝したいと思います。 

皆さんは今日、晃華学園を巣立ち、それぞれの道を進むことになります。これからの人生において、これまで以上に多くの変化を経験することと思います。ときには自分の力を超えると感じられることもあるでしょう。そのようなときには、晃華学園がいつも変わらず皆さんに伝えてきたことを思い出してください。それは、神様が共におられる、ということです。 

「主があなたと共におられる」(ルカによる福音書第128節)これはマリア様が天使から告げられた言葉であり、私たちが朝夕の祈りで、また日々の生活のあらゆる場面で、伝えて続けてきたことです。 

どうぞ、この晃華学園で学んだことを土台に、しなやかに変化を受け入れ、今度は誰かの幸せのためにその力を使ってください。教職員一同、心からそれを願っています。 

本日はご卒業、おめでとうございます。皆さんに神様のお恵みが豊かにありますようお祈りしながら、学校長告辞を終わります。 

晃華学園高等学校教頭(校長代行) 

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