先日、校内研究授業で行われました。この研究授業は、晃華学園の授業のあり方を研究するため、校内向けに実施されているものです。
今年度は、理科・技術家庭科・国語科の3教科が研究授業を行いました。それぞれの教科で研究課題を設定し、協議を行います。
【中学3年生 化学】
中学3年生の化学では、実験を主とした授業を行っています。中学理科の化学分野の集大成として、試験管に入った透明な水溶液が何かを当てる実験を行います。この実験では、生徒が、実験方法や必要な実験器具、試薬を自ら考え用意します。
生徒の作成したフローチャート
今回は、9つの水溶液から3つを選び、他の班に3つの水溶液を当てさせる実験を行いました。3つの水溶液を選ぶ時には、当てにくい溶液を選んだり、自分たちならどのような実験をしたりするかを考えていました。
実験を行うと、班の中で様々な工夫が見られたり、議論が活発に行われたりするなど、自分たちで考え行動している姿勢が見られました。
最後に、他の班に正解を聞きに行くときには、正解したことにより歓声を上がっていました。また、正解や不正解に関わらず、相手の考えた実験手順や自分の行った実験手順を伝え合い、生徒の主体的な学びにつながったと思います。
【中学1年生 技術・家庭科】
中学1年生の技術・家庭科では「実技指導におけるICT活用」をテーマに、研究授業を行いました。編み物実習において、自分の習得度を知り、技術を向上させるために、タブレットの動画やアンケート機能を活用することを狙いとしました。
前回の授業でとった進度や習熟度に関するアンケートの集計結果を示し、本時の目標を設定しました。アンケート結果から、全員に共通する習熟度の低い技術を教員がスクリーンに示して、事前の理解を深めました。
個人の作業を進める中では、タブレットに配信された動画を見る、挙手して教員の指導を受ける、授業プリントを見るなど、複数の手段を使いました。
最後にタブレットに配信されている本時の振り返りアンケートに回答しました。このアンケートは、生徒が自身の技術の向上や習熟度を知り次回の授業へ課題を確認するとともに、意欲的な取り組みを促すことにつなげます。また教員側も生徒の習熟度を知り、次回の授業展開に役立てます。
生徒は集中して作業を進め、お互いに教え合う場面もあり、意欲的に授業に取り組んでいました。
【高校2年生 古典】
国語科の研究授業では、高校2年生を対象に、「花山天皇の出家」を読み比べました。「花山天皇の出家」は、『大鏡』の定番教材ですが、その他の作品にも同じ出来事が記されています。今回は、『栄花物語』、『十訓抄』を加え、3つの作品をグループワークで読み進めました。
それぞれの内容を把握したところで、「なぜ兼家は事件を企てたのか」、「なぜ作品により記述内容が異なるのか」という問いについて、本文テキストだけでなく、系図や国語便覧を活用してグループごとに考えました。この問いに答えるためには歴史的な背景についての知識も必要であり、生徒たちは活発に意見を出し合っていました。
この授業を通じ、生徒たちは同じ出来事であっても書く人の立場によって描かれ方が異なるということを学びました。今後は、現代の諸問題でも立場が変われば見方が異なるということに結びつけ、学びを深めていく予定です。
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