2018年度

中学1年生 地理 「ムスリムのくらし」を考える

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投稿日2018/11/20

「今日は、ムスリムのくらしを皆さんに体験してもらいます」

「ムスリムって、なーに?」

中学1年の地理の授業では、世界地理を学びます。これまで、世界の宗教や気候、地域別地誌ではアジア全地域とロシアを扱い、そこでの人々の暮らしについても学びました。人々の暮らしには宗教が大きな影響を及ぼしていますが、なかなか実感を持って学ぶことは難しい。そこで、世界の宗教とそれに関わる人々の生活を、実際に体験してもらうため、このスーツケースを使っていきます。

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これは、大阪の民俗博物館が貸し出している「みんぱっく」という学習キットで、世界の様々な地域の民族衣装や生活用品などが入ったものです。
今回は、この中から「世界のムスリムのくらし」をお借りし、中学一年生の地理と高校二年生の世界史で活用。それぞれの授業でイスラム世界への理解を深めました。

冒頭のシーンに戻ります。

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「ムスリムとは、アラビア語でイスラム教徒のことを意味します。今日は、ムスリムの人々が実際に使っている衣装や生活用品を、実際に触って体験してみましょう!」

スーツケースが開けられると、みんな興味津々。思い思いに衣装や生活用品を手に取り、教室のいたるところで、話し合いが始まります。

 「これは、何のために使うものだろう?」

「この変わった形の道具、どうやって使うんだろう?」

「すごい!お洒落な雑誌や美味しそうな食べ物のパッケージがある!」

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授業を通して、教科書やテレビを通して得られるイメージとは異なるムスリムの一面を知り、生徒たちはムスリムを身近に感じることが出来たようです。以下は生徒の振り返りです。

「イスラム教に対して、テロのイメージしかなかったけど、今日見たパックの中にはテロなどの要素は無く、制限の中で楽しく暮らしていることがわかって、そんなに日本と差がないと思った。」
「ムスリムの人々の衣服は黒一色で、女性たちはお洒落が出来ないと思っていたけど、実際に雑誌や服を見て、カラフルでお洒落なものもあることがわかって、驚いた。」
「お祈りの回数を数えるカウンターや、お祈りに使用するマットを持ち運ぶバッグがあったりして、お祈りが日常の中に深く溶け込んでいることがわかった。」
「東京オリンピックに向けて、多くのムスリムの人々が来日するから、もっと公共の場所にお祈りのための場所を作ったり、ハラル食品が食べられるレストランを増やす必要があると思った」

晃華学園では、このような体験や知識を通して、“多文化共生の世界に開かれた品格のある女性”を育てています。様々な文化や背景を持つ人々が、共に理解しあって暮らすために、生徒たちは一つ一つの学びから多くの事を吸収して、また一つ、広い視野を獲得していきます。

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