2017年度

高校1年生数学 授業報告その3

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投稿日2018/1/30

今回は、問題の解説の発表をした生徒たちがどのように授業を振り返ったのかを紹介します。

 

準備期間から本番まで、授業は『生徒による授業』というテーマで学習が進んでいきました。どうすればわかりやすい説明ができるようになるのか、生徒たちはさまざまな工夫をもって発表に臨んでくれました。数学において、図や式や言葉を用いて他人に誤解なく概念を伝えることはとても大切なことですから、今回の発表を通して生徒達は数学的な表現力がついたことでしょう。

しかし、実はこの授業のねらいはこれだけではありません。自らの発表と同じように重要なのは、クラスメイトの発表をきちんときくということです。自分と同じように他の人も準備に時間をかけているのですから、他のグループの工夫や良いところに目を向けて自分のものにしようとする姿勢は非常に大切です。また他人の発表を見ることを通して、自分自身の発表を省みることができるため、さらなる成長が期待できるのです。

そのため今回の授業では、それを促すための「振り返りシート」を用意しました。この振り返りシートには、それぞれのグループの感想を記入する欄の他に

・他のグループの工夫のなかで、自らの発表に活用できそうなものをかきましょう

・準備の際に自分が積極的に頑張ることができたと感じることをかきましょう

・自分の中でもう少し改善できそうだと感じることをかきましょう

などといった質問が用意されています。ほとんどの生徒が枠いっぱいに振り返りを記入してくれ、

『説明をしている人以外は、かがんだり端によけたりすることで、説明している人に注目してもらえるようにしている班があった』

『とにかく間違いのないように説明しようと思っていたけど、間違いのない説明とわかりやすくて楽しい説明は違うんだなと思った』

『数学は苦手なので、演出の方にこだわった。小道具をつくるのに時間がかかったけれど、他のグループより小道具はきちんとできて良かった』

『プロジェクターだけではなくて、画用紙も使えばよかった』

といったことを書いてくれました。教員から言われたことではなく、自身が見て感じたことをもとに、自分を省みたり反対に自信を持ったりすることができています。きちんと他のグループの発表もきけているのではないのでしょうか。これは、自らを他者と比較することによって「自らに与えられた才能・能力(タレント)に気づき、それぞれの社会の中で活かす方法を見つけていくこと」という、晃華学園が掲げるライフガイダンスの目標にも通じています。日々の授業の中に、晃華学園の想いは詰まっているのです。
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