私は中学受験を経て晃華学園に入りました。課外活動では放送研究同好会に所属し、朗読の練習や放送劇の制作を行いました。高校2年生の時にはS.C.に所属し企画の提案から実現までを経験しました。
東京農工大学に進学してからは応用生命化学を専攻し、きのこの持つ植物細胞壁分解酵素についての研究を行いました。研究の一環としての実験は、思い通りに進まないことも多いですが、勉強の毎日で探究心を掻き立てられます。大学卒業後も東京大学大学院で継続して研究をすることになっています。
私が生物学の研究に取り組むようになったきっかけは、中学時代の生物の授業です。今で言うアクティブラーニング形式の授業で、生徒自ら考えることを促し、生物学の面白さや深さに気づいてもらいたいという先生の配慮があったのだと思います。
大学には推薦入試で合格しました。推薦書、調査書及び志望理由書とセンター試験の結果で合否が決まるものでしたが、志望理由書には決まった形式がなく、どう書いたらよいか戸惑いました。それでも、先生が長い時間をかけ懇切丁寧に私のアピールポイントを引き出し、文章の添削をしてくださったおかげで、無事合格できました。
普段も、わからないことがあればすぐ質問に行き、職員室前で最終下校の時間まで教えていただくなど、親身になってご指導くださる先生ばかりなので、受験勉強まで学校で済ませることができました。
中高を卒業してしばらくたった今、晃華生に共通しているなと感じるのは、個々が自立しつつ、互いに協力し合うことができる点です。中高では、年に数回行われるミサをはじめ講話を聞く機会が多く設けられており、終了後にふりかえりを作成していました。それにより自分を見つめると同時に、同級生のふりかえりを共有することで自分とは違う価値観や思想を持つ他者を尊重するようになったのではないかと思います。
人間形成に重要な6年間を恵まれた環境の中で過ごすことにより、志を共有し互いに尊敬し合える生涯の友と出会うことができました。
(2019年2月22日取材)