2025年度

校長先生のお話(2025年7月19日の終業式より)

投稿日2025/7/25

皆さん、おはようございます。明日から心待ちにしていた夏休みが始まります。何といっても生徒や学生の特権は1か月の夏休みがあることです。いろいろな予定を入れていらっしゃるとは思いますが、それでも自由な選択の結果であるはずです。

この自由が保障されている民主主義国家は世界の国々の中で、何か国ぐらいあると思いますか?

イギリスの有名な『エコノミスト』という雑誌が発表している「世界の民主主義指数2024年」を見ますと、「完全な民主主義と言われる国」は世界の167の国や地域のうちでたったの24か国です。この世界167か国の国や地域を対象とした民主主義指数のランキングでは、1位のノルウェーをはじめとして北欧諸国が上位に入っています。

では、日本は何位にランクされているでしょうか。16位です。アメリカは、以外にも29位で、「完全な民主主義」と言われる24か国には入っていません。「欠陥のある民主主義」に分類されています。ロシアは144位、中国は148位です。(参考:The Economist EIU repoirt,2025,3/4,Democracy Index 2024)

今年、日本は、終戦から80年目の夏を迎えています。今、私たちが自由な民主主義の下で生きて行くことができるのも、第2次世界大戦の大きな犠牲の下に成り立っているといっても過言ではありません。

晃華学園は平和教育を大切にしています。この4月も高3が沖縄修学旅行に行き、平和の尊さについて学んできました。

今、ここに持っているのは、高3の皆さんがその経験を掲載した『朝日新聞』の特集号「沖縄と共に 平和で持続可能な社会へ」です。この終業式の後、マリアンホールで、「あの頃,オキナワはアメリカだった―映画「宝島」と歩む、教科書には載らない戦後沖縄―」の講演会が開催されます。しっかり聴いてください。皆さんの今後の人生の糧の一つになれば、と思っています。その講演会でも沖縄に関する映画の紹介があるかと思いますが、皆さんにはもう一つの映画を紹介したいと思います。

喜劇俳優であるチャップリンの『独裁者』The great dictatorという映画です。85年前の1940年の映画です。チャップリンは理髪店の店主とヒットラーの二役を演じています。今から見れば大昔の映画ですが、ヨーロッパでヒットラーが戦争を拡大している時に、アメリカで作られたものです。この映画のラストシーンのスピーチは史上最高のスピーチと言われるスピーチの一つです。民主主義とは、我々人類にとっていかに大切なものであるかを切々と訴えています。お時間があれば、ぜひご覧ください。私も英語の暗唱recitationとして、この夏、挑戦しようと思っているスピーチです。皆さんもチャップリンのスピーチのrecitationに挑戦してみてはいかがでしょうか。そして、今一度、自由と平和と民主主義について考えてみてはいかがでしょうか。

それでは、よい夏休みを!!

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