体育祭は、お疲れ様でした。体育祭は1学期の最大のイベントです。体育祭が終わると1学期も後半に入ります。と同時に梅雨の時期を迎えることになります。体調を崩さないようにしっかり体調管理をしてください。
先日、中3から高3までの生徒の皆さんには、各自に『日本経済新聞電子版』のアカウントが無料で付与され、毎日、スマホやタブレットなどで、『日本経済新聞』が読めるようになりました。
以前は、混んでいる電車の中では、こうやって新聞を縦に折り畳んで読んでいたものですが、現在では、スマホで電子版の新聞を読むということが主流になるのでしょうか。私などの昭和の人間は、いまだに電車の中では、新聞を縦に折り畳んで読んでいます。
テレビやインターネットで、ニュースなどは見ているので、新聞は読まなくても済んでいる、という方が多くなっているのも事実です。どのくらいの人が毎日、新聞を読んでいるか、ネットで検索してみました。ある調査では、毎日、新聞を読んでいるという人は34%、さらに10代から20代の女性では、6%という結果が報告されています。せっかく、『日本経済新聞電子版』のアカウントが無料で付与されたのですから、これを機会に、これまで新聞を読まなかった方も、とにかく新聞を読んでみましょう。中1~中2の皆さんには、『日本経済新聞電子版』のアカウントが付与されていませんが、できるだけご家庭や図書館で、新聞を読んでみましょう。
では、新聞を読むことに、どのようなメリットがあるのでしょうか。インターネットによる記事よりもずっと証拠性が高く、資料として信用があることは重要なメリットです。記述内容もしっかりしています。毎日、新聞を読んでいる人といない人では、日本語力も違ってくるはずです。
ご参考までに、私の新聞利用について述べてみたいと思います。ここに3冊ほどノートを持ってきました。2022年の3月~4月にかけての日本経済新聞の切り抜きが貼ってあるノートです。いわゆるスクラップノートですが、マーカーで線を引いたり、その時に考えたことや感じたことが余白に記述してあります。2022年2月24日に、ロシアがウクライナに侵攻しました。それに関連して自分なりに気が付いた記事を切り抜いて貼ってあります。ロシアとウクライナの歴史や文化についての特集記事などが貼ってあります。その中の記事から紹介します。2022年4月16日の記事に『ひまわり』という映画の紹介があります。1970年公開の古い映画ですが、ウクライナを知る意味で注目される映画となったとあります。ウクライナの広い平原一面にヒマワリが咲いているのです。
もうすぐ父の日ということで、最近、花屋さんではヒマワリが多く売られていますが、ウクライナのヒマワリは花を売るために栽培されているのではありません。何の目的で栽培されているのでしょうか。2022年4月22日の記事に「チョコを襲う「侵攻」の苦み」「ウクライナ産油脂原料急騰」とあり、ヒマワリ油の輸出国の割合が円グラフで示されています。世界で、ウクライナ47%、ロシア29%とあります。記事には「チョコレートに原料高の波が押し寄せている。油脂に用いるヒマワリ油の価格がロシアのウクライナ侵攻による供給不安で高騰している。」「チョコレートはココアパウダーや砂糖に、口どけをよくするための油脂などを加えてつくる。欧州は一般にココアバターを使うが、日本のように夏の暑さが厳しい国や新興国は代用油脂を使うことも多い。ココアバターより熱に強く、価格も2割ほど安いとされる。」とあります。このように、私たちも、ロシアのウクライナ侵攻により影響を受けていることが新聞記事から詳細に知ることができるのです。こうした記事をきっかけに、各自の探究活動にも何かヒントを与えてくれるかもしれません。
ロシアのウクライナ侵攻に関連する映画を紹介します。図書情報センターのDVDに『屋根の上のバイオリン弾き』があります。19世紀末から20世紀初頭にかけてのウクライナ地方に暮らすユダヤ教徒の一家の話ですが、映画の最後で、ユダヤ人たちは迫害を逃れて世界に散っていきます。主人公一家もアメリカのニューヨークを目指して故郷ウクライナを後にします。このようにウクライナからアメリカに逃れた人たちの子孫の中から民主党に入って政治活動をする人物も輩出します。バイデン政権でのブリンケン国務長官もその一人です。アメリカがウクライナに武器援助する人的なルーツもこの『屋根の上のバイオリン弾き』からも見ることができるのです。
せっかく『日本経済新聞電子版』のアカウントが無料で付与されたのですから、とにかく新聞を読み、気に入った記事があればコピーして、ノートに貼ってみてはいかがでしょうか。
自分なりの探究活動の源泉になるかもしれません。