2024年度

校長先生のお話(2024年10月7日の中学合同朝礼より)

投稿日2024/10/23

中学生時代の3年間とは、どのような3年間と考えていらっしゃいますか。人生百歳と考えれば、100分の3と極めて短い期間です。ところが思い出してみてください。皆さんが小学生のときに、中学生のお姉さんを見たとき、とても頼もしく大きく見えたことと思います。また、今、今度は皆さんが、高校生のお姉さんを見たとき、とても大人っぽくしっかりしていると感じられていることでしょう。

そして、今度は、友達を見たとき、ある友達は、とてもしっかりしていて、とても今の自分には追い付けないという気持ちを持たれるときもあるでしょう。また、逆に、同じ学年なのに、友達を見て、何だかいつもノロノロしていて、何でもっとサッサとできないのかしら、と思われることもあるでしょう。中学生の3年間は発達段階に個人的差がはっきり出やすい時期なのです。

蝶々の場合をみても、春に一斉に蛹から蝶になって飛び立って行ったなんてよくいわれますが、よくよく見れば、早々と蛹から脱皮して蝶になって飛び立っていく蝶もいれば、その傍で、まだ完全には脱皮できず、半分蛹の中で、モガキ苦しんでいる蝶もいるし、まだまだモガクところまでもいかず、蛹の中でグズグズしている蝶もいます。中学生時代とは、人間にとってもそのような春の脱皮の時期なのです。たった3年間ですが、きわめて個人差が出る時代でもあるのです。

早く脱皮した皆さんは、まだ脱皮中のモガイテいる友人や蛹の中でグズグズしている友人を手助けしてあげましょう。毎朝、皆さんは、世界平和のことも含めて、他者のために他者とともにと、お祈りをしていらっしゃいます。大変素晴らしいことです。しかし、世界の中には、この学園も含まれるのです。まず、身近なところのこの学園の中の平和もお祈りしましょう。そして、お祈りだけではなく、身近な学園世界の平和の実現のための実践も進んで行おうではありませんか。人間関係がギクシャクするのも、考えてみれば、各自が蝶になる時期がちょっとずつズレていることが原因になることが多いのです。他者のために、他者の気持ちになって、他者とともに、激動の中学生時代をしっかり乗り越え、皆さん全員が立派な蝶に成長し、青春を謳歌して頂きたいと切に希望しています。頑張ってください。

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