2024年度

校長先生のお話しより(2024年6月10日高校合同朝礼)

投稿日2024/7/17

皆さん、おはようございます。

聖母月行事として、丁度一週間前の月曜日に、本学の卒業生で現在、同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授の三牧聖子先生を講師にお招きし、「Z世代の平和を考える―ガザ危機が突きつける問い」というテーマにてご講演を頂きました。

中学1年生から高校3年生までの約900名が、メインアリーナに集まり、大変熱心に聴講致しました。講演後の質問コーナーでは、活発に手が上がり、三牧先生も、このような多くの聴衆の中で手を挙げる勇気と熱意に感心していらっしゃいました。私も大変すばらしいことと思ってみておりました。

ご講演の話し方は、中高生レベルに合わせてはいらっしゃったようでしたが、内容は大変レベルが高く、皆さんは、本当のところどれくらい理解されていたでしょうか。一人ひとりが持っている受け皿の大きさによって理解の程度が異なってきます。受け皿とは、英語、歴史、地理などの聴く側が持っている教養や学力を言います。せっかくの素晴らしい講演でも、その受け皿が小さければ、素晴らしい講演の内容がどんどんこぼれてしまい、身につかなくなってしまいます。

Divestmentという単語が出てきました。三牧先生は説明していらっしゃいましたが、アメリカの大学生としては、ガザ問題を考える場合に重要な単語となります。アメリカのハーバード大学をはじめとする私立大学では、その収入のかなりの部分が株式を中心とする投資の利益から成り立っているからです。大学が所有するイスラエル関連企業への株式投資を引き上げるという意味でDivestmentが使われていました。英語の勉強としては、単なる単語の意味だけではなく、その単語の持つ専門的な意味や社会的背景も勉強しておく必要があります。

シンガポールや台湾などの小さな国や地域あるいは進学率が高くない国や地域の大学では、自国語でのテキストがないので、アメリカやイギリスなどから直接輸入したテキストがそのまま使わるため、英語力がないと高度な教育が受けられないことになります。逆にテキストが自国語で揃っている日本の場合、日本語という限定された言語でしか情報を得られなくなり、便利ですがグローバルの見地からは不利ということにもなります。

「英語の晃華」といわれるように、晃華学園では英語に力を注いでおります。英語をしっかり勉強し、今回の三牧先生のような講演や大学に進学した時の講義には、英語で苦労しないように、しっかりと勉強し、また豊かな教養を蓄え、自分自身の受け皿を一層大きくするように勉学に励んでください。

九百の女子生徒聴く講堂に講師は語るガザ地区の今を

意識あるZ世代の生徒らは質問の手を次々挙げり

揺れ動く世界に生きるZ世代平和を築く力となるや

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