2019年度

「私は教科のここが好き!」番外編(中学進路通信)

投稿日2019/12/29

晃華学園では、進路指導の一環として全学年でオリジナルの進路通信を発行しています。

学習に対して前向きに取り組んでもらうため、今年度は中学生の進路通信で『私は教科のここが好き!』というシリーズを企画しました。
これは、教員が自らの担当教科の好きなところを紹介し、学ぶことそのものの楽しさを実体験を交えて紹介することで、楽しんで学習に向かう姿勢の大切さを伝えていこうというコーナーです。

今回は、中学1年生の進路担当の教諭から、番外編としての寄稿です。


 

今回は番外編として、私が学生時代研究していた“教育学”について書いてみました。

大学生のとき、「初等教育の内容と方法」という講義を受けていたことがあります。“教育とは…”“人とは…”みたいなことを大真面目に議論したり、考えるための方法を学んだりと、私にとって非常に有意義な授業でした。
その講義では先生に質問メールを自由にしてよく、時折先生がそれを全体に紹介してくれました。私も質問メールを送り、一度だけその先生の講義内で紹介されたことがあります。
先生がその質問を大変気に入ってくださり、その質問への回答として、講義に外部からお客さんを招いてくださったときのお話を紹介したいと思います。

そのお客さんは、フリースクールに勤めている女性の方で、様々な青少年の指導をなさっていました。社会の厳しさのこれっぽっちもわかっていない私の頭でっかちな質問に丁寧に答えてくれるだけでなく、職場での色々な体験を聞かせてくれました。無免許でバイクに乗ることに生きがいを見出してしまっている人、ドラッグ依存から更生中の人、親族から性的暴行を受けてしまった人…今まで出会ったことの無い世界で、それこそ「無休無給」で活躍なさっている女性を目の当たりにし、当時の私は非常に驚いたと同時に、“なぜそこまで頑張れるのだろう…?”と疑問に感じました。
講義の後、その女性に「そこまで頑張れる原動力のようなものは何ですか」と伺ってみたところ、その女性はにっこり笑ってただ一言、「あなたも先生になればわかりますよ」と、まるで「なんだそんなことか」とでも言うように答えました。

そして教員となった今、私にとっての原動力は何だろう…と時々思うことがあります。「サボっている自分になりたくない」「いろんな業界で頑張っている(私の)同級生に負けられない」「来月の家賃と光熱費」などなど、小さな動機は沢山あります。ですが、やはり根底にあるものは「生徒の将来が心配」というものです。“このままこの生徒達が社会に出て大丈夫なのか”“この子たちの中高時代の思い出がこのままでいいのだろうか”といった感情が、私の原動力なのかなと感じています。

幸運なことに、私はこのクラス全員の良いところをそれぞれ挙げることができます(これは晃華のどの学年のどのクラスの担任の先生もそうでしょう)。皆さんが思っている以上に、我々は皆さんのことを見ているのです。

そして、いろいろなことを見抜きます。「この子はこうやって甘えて生きてきたんだな」「この子、学校では良い子だけど家では暴れてるのかも…」「あの子は優しいし感情の起伏が少ないから、周りに人があつまるんだなー」「自分の意見をきちんと言えるようになったなあ」「自らを客観視できるようになったんだなー」「もう私より十分しっかりした大人になったなぁ」などなど。皆さんの成長を、その成長が本物であればある程、皆さん自身が気づいて欲しいかどうかは関係なく、我々は見抜いてしまいます。
私は学生時代に一生懸命“教育学”を学びました。いろいろな教育思想を学び、認知心理を学び、数学教育を学びました。さぼらず頑張ったという自信すらあります。ですが、それと比べ物にならないくらい、この晃華学園で毎日皆さんと関わっている今こそ、人生で一番“教育学”を学んでいるのではないかと思います。

上述の原動力についての考えや、教員が生徒を見る目といったものは、実際に教員にならないと得られない学びですし、誰かから教わるものでもありません。ですが、間違いなく“教育学”の一部なのではないでしょうか。

これらの経験から、学問に終わりはなく、中高を卒業しても、大学・大学院を卒業しても、生きている間はずっと学び続けるのが大切なのではないかと考えています。そしてそれはきっと、教育学のみならず、どの学問・どの教科でも同じなのでしょう。

中学1年生向けに、教訓的にまとめると
・学習はやらされるものではなく、自らすすんでやるべきもの
・学校を卒業しても学びは続き、自分にとって欠かせない大切なものになる
といったところでしょうか。

皆さんも、「授業だから」「テストだから」を超えて、「興味があるから」「楽しいから」という理由で学習に励み、学び続ける人生を歩んでいってください。

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