先日、国立民族学博物館の「みんぱっく」を使用し、イスラーム教徒の生活を体験するという中学1年生の授業を紹介いたしました。(記事はこちら)
高校2年生の授業でも同様の学習キットを用い、授業を行いました。
現在、高校2年生が選択で履修する「世界史B」の授業では、「イスラーム世界の成立」を学んでいます。
最初に、イスラーム教はどのように成立したのか、コーランには何が書かれているのか、なぜ、イスラーム教徒は多くの規律を守っているのかなどを考え、その後、「みんぱっく」を使いました。
現在のムスリムの暮らしを考えることができるグッズがたくさんあり、世界史で学ぶ過去の歴史と、現在の様子との関係性を、「イスラーム教」という視点で結びつけることができました。
特に生徒が興味を持っていた物は、イスラーム圏で販売されている雑誌です。
「私たちがヘアセットのやり方を雑誌で学ぶのと、ムスリムの女子がおしゃれなスカーフの巻き方を雑誌で学ぶのは同じなんですね!」
「せっけんやリップグロスも、ムスリムのための商品が販売されているのはなぜですか?」
生徒から次々と質問や感想が飛んできました。
こちらが「自分で考えてみて」と答えると、高校生は自ら英語の成分表記を読み始めました。普段他科目で学んでいる知識を活用している姿も見ることができました。
「みんぱっく」に同梱されている説明書を自らすすんで確認しにいく生徒も多くおり、積極性を感じました。
生徒の振り返りをご紹介します。
「世界史では、たくさんの地域の歴史や宗教、文化を学んできた。ムスリムが信じているイスラーム教の起源、広がり方や信仰の内容を知ることで、ムスリムに対するより深い理解が得られる。
また、今回のように、実際にムスリムが使っているものに触れ、自分たちとの共通点・相違点を考えてみて、その違いを「おもしろい」と感じることが大切である。
世界には様々な人がいる。文化も信仰も考え方もその分多様だ。自分とは異なる価値観に触れ、その違いに興味を持ち、認め合うことが大切だと感じた。」
高校生の授業は進度もはやく、講義型の授業も多くなりがちですが、このように生徒が主体的に考える授業も適宜取り入れながら、学びを自分のものにしてもらいたいと思っています。