日本語には、「負けるが勝ち」、「負け知らず」など、勝ち負けに関する言い回しが色々あります。勝負に関わる身近な話題としては、平昌オリンピックがありますし、スピーチコンテストや合唱コンクールもありますね。
勝負や競争にこだわり過ぎるのは良いことではありませんが、人生にはここ一番という大事な場面で実力が試されることがあります。そのような場面で、正々堂々と取り組み、全力を出し切ることが大切なのは言うまでもありません。しかしベストを尽くしても、思うような結果が出せなかったり、悔しい思いをしたりすることがあります。そのような時、私たちはどんな態度をとったらよいでしょうか。今日は、「負けた時のマナー、振る舞い方」について考えてみたいと思います。
自分が勝負に負けたり、十分に力を発揮できなかったりした時、「今日は調子が悪かったんだ」といいわけをしたり、負け惜しみを言ったりする、こんな人、いませんか?私の場合は、周りの人に八つ当たりしたり、やけ食いをしたりして、あとでそんな自分に嫌気がさし、さらに落ち込むというのがよくあるパターンです。逆に、ショックを受けて落ち込み、勝負そのものに背を向けたり、「どうせ自分は駄目だから」と投げやりになったりして、自分の可能性を閉ざしてしまうのももったいないです。
先日、たまたま「クローズアップ現代」で、将棋と囲碁の世界で偉業を成し遂げた羽生さんと井山さんのインタビューを見ました。「勝負を越えたところにあるものは?」という質問に対して、井山さんは対局相手があるから高め合って良い試合ができると、相手に敬意を表し、羽生さんは勝ち負けの結果だけでなく、対局の内容やプロセスが大事だと語っていました。厳しい競争にさらされている彼らは、自分を冷静に見つめているからこそ、結果だけに一喜一憂するのではなく、リスクを恐れず新しい世界を切り開いていけるのだと思いました。
また、あるバドミントン選手は「戦い終えて笑顔になる」という言葉を大切にしているそうです。精一杯試合をした後は、たとえ負けたとしてもさわやかな気分を味わえると言います。自分の失敗を反省した後は、さっぱり気持ちを切り替えて前向きに努力する。自分が負けても笑顔を保てる人は、強い人だと思います。負けた時にこそ、その人の価値が問われると思います。失敗から多くを学べる人になりたいですね。