2017年度

10月28日の宗教朝礼から

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投稿日2017/12/15

毎日朝礼で唱えている「主の祈り」。これは、聖書の言葉なので元々は英語ですが、皆さんは英語でお祈りをしたことがありますか。せっかくなので、今聖歌集を開いて、英語の「主の祈り」を読んでみてください。日本語と英語のお祈りの言葉を比べると、語順に違いがあります。日本語は言葉の順番は自由ですが、英語は語順によって意味を伝える言葉です。つまり、文型が大切です。

今度は、状況を変えて日本語と英語の特徴を観てみたいと思います。2016年にアメリカ大統領選挙でトランプさんが勝利した後、レディーガガさんがトランプさんの自宅前で「トランプ嫌い」と主張しという報道がありました。実はこれは誤報で、レディーガガさんが持っていたプラカードには Love trumps hate. 「愛は憎しみに勝つ」と書いてあったのです。どうしてこのような誤訳が報道されてしまったのでしょうか?それは、先程の「主の祈り」と同じように、英語と日本語の語順に違いがあるからだと思います。英語だと、「愛は憎しみに勝つ」という意味にしかならず、絶対に「トランプ嫌い」とはなりません。

英語と日本語にはもう一つ、大事な違いがあります。それは「主語の存在」です。もしレディーガガさんが「トランプ嫌い」と言いたかったらおそらく「私が嫌いなんだ」と主語 I を入れて “I hate” と主張したでしょう。日本語では主語を入れなくても「トランプ嫌い」と言えてしまい、主語がなくても聞き手は「この人はトランプさんが嫌いなんだな」と理解してくれます。

このようにして、英語は語順によって意味を伝える言葉です。また、日本語は主語がなくても自分の考えを言うことができます。「私はこう思う」と言わなくても、自分の意見に責任を持たなくてもよくなってしまいます。しかし、考えを述べる時、「私はこう思う」と主語を入れて自分の意見としてはっきり言わなければならないことがあります。これは英語を話すときや、国際的な場面で必要なツールです。よろしければ、来週から英語で「主の祈り」を祈ってみてはどうでしょうか。

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