厳しい寒さも緩み、木々の新芽が伸び、桜のつぼみも一気に膨らんで、開花し始めています。本格的な春の訪れと共に、2012年度、最後の学期、3学期は今日で修了です。
3学期修了式は、5日前に卒業していった高校3年生と、今日の午後、行われる中学卒業証書授与式に出席する中学3年生の2学年を欠きますので、いつも寂しい感じがいたしますが、間もなく152名の新中学1年生が入学してきます。その新入生のために、皆さんは晃華生としてまた先輩として憧れと尊敬の対象となる姿を見せていただきたいと思います。そのためにも、各自、この1年間の反省をしっかり行い、4月からの新しい年度に向けて、心の準備をいたしましょう。
間もなく終わる2012年度は、晃華学園中高にとっては開校50年目という特別な年度でした。年度初めの1学期の始業式でわたくしは、皆さんの先輩たちがこれまで築き上げてきた学園のよき伝統を継承しながら、一人ひとりが持つ善さとエネルギーを十分に発揮して、新しい晃華学園を創り上げていってほしい、そして開校50年に相応しい実りのある年にしてほしい、と申しましたが、どんな実りがあり、成果があったでしょうか。
答案返却の日の午後、学年主任と担任の先生方が、この1年間の学校生活の様子を見ていて、生活態度や物事への取り組み方、人との関わり方など、目立つことをしているわけではないが、立派だと思う生徒がいます、ぜひ顕彰してあげてほしいと推薦してくださった中学1年〜高校2年生までの生徒40名を「お茶会」に招待しました。その席で一人ひとりに、この1年間、学校生活の中で自分はどんなことに意識的に取り組んだか、話してもらいました。
「お茶会」に呼ばれた多くの生徒が、「どうして自分がこの席に呼ばれたのか分からないのですが・・・」と言いながら、「自分から挨拶するように心がけました」「自分は大きなことは出来ないけれども、掃除は一生懸命にやりました」「よく人を傷つける様なことを言ってしまうので、今年はそういうことのないように、気をつけました」「制服をきちんと着ようと決心して努力してきました」「いつも感謝の心を忘れないで、とにかく楽しく学校生活を送りました」等々、各自、自分なりに心がけたことを率直に語ってくれました。その他、「SCや規律、美化委員会の活動に積極的に参加しました」とか、「合唱コンクールのパートリーダーとして入賞に貢献することが出来ました」、「クラス委員、議長としてクラスをまとめるのに苦労しました、失敗もあったけれど、この経験を生かして来年はもっとクラス、学年に貢献したいです」と語る生徒もいました。そして「こんな自分の小さな努力を、先生が見ていてくださったことがうれしい、自分に自信を持って来年も頑張りたい」等々、前向きな話がたくさん聞けてとても嬉しいひと時でした。
答案返却の次の日、卒業式の前日の午後には、高校3年生の「学年の華」に選ばれた8人の生徒を招いて「お茶会」をいたしましたが、ここでも「さすが」という素晴らしい話が聞けました。お父さんを亡くした時に、クラスメート達からもらった励ましの言葉や授業ノートをとっておいてくれた心遣いなど、皆の優しさに助けられたこと/様々な行事を通じて、今まで付き合ったことのない色々なタイプの友人と出会えたこと、そして自分は一人で生きているのではなく、多くの人に支えられているのだと感じることが出来た、将来は学校の先生になりたい/法学部に進み、将来は地方の振興、特に被災地東北の復興に貢献したい/大学で建築を学び、災害に強い建物を作りたい/ゲームで楽しませてもらったので、その恩返しとして今度は大学で情報工学を学び、ゲームのソフトを開発したい等々、友だちの大切さや有難さ、そして将来の夢を熱く語ってくれました。
卒業していく8人の高3生の話しを聞きながら、6年間の晃華での学園生活を通してそれぞれが、人との関わりを大切にしながら、ただ自分の幸せだけを考えるのではなく、自分の出来ることで「世のため、人のために!」貢献したいという高い志を育てていること、素晴らしい人たちが育っていることをあらためて知ることが出来て、とても有意義な「お茶会」でした。
学年の終わりに当たって、皆さんもこの一年間の自分の歩み、やってきたことをしっかり振り返り、新しいことが始まろうとしている学年に向って、明日からの春休みを有意義に過ごしてください。長期休業日としては短い休みですが、それでも3週間ほどあります。新学期に備えて、この春休み中に是非皆さんにやっていただきたいことは、良い生活習慣を身につけ、良い生活リズムで毎日を安定して過ごしていく力、生活習慣力をつけてほしいということです。
現代は、つい夜更しをしたり、食事の時間が不規則になるなど、生活習慣が乱れやすい時代ですが、悪い生活習慣を続けていると社会生活が次第に難しくなり、体の調子も崩れてやがて死にいたる病にかかります。中高生の場合、生活習慣が乱れ始めると、遅刻が増えてきますし、授業中、度々、居眠りをして集中して授業を聴くことも出来なくなり、提出物遅れや忘れ物も多くなります。成績は当然下降していき、学業を続けること自体も難しくなります。というわけで、良い生活習慣を身につけることがいかに大事で、「学ぶ力」の土台であるか、皆さんにも理解できる思います。
では、どうしたら良い生活習慣と生活リズムを作ることが出来るのか、何か良い方法があるのか?ということで今、注目され始めているのが中高生にビジネス手帳を持たせるという試みです。すなわち手帳でスケジュール管理をしながら、計画や目標を実行するビジネスマンの「手帳活用術」を生徒指導に役立てようという試みです。
手帳の大きさはB6サイズ位のもの、30分刻みの時間軸でその日の予定を書き込めるものを選びます。そこに起床時刻と就寝時刻、その日の予定(絶対に外せない予定、自分で変えられない予定を先に書く<行事、試験、塾・習い事、部活の試合<目標、やるべきこと(計画)>、友人との約束、自宅学習など)、一日の学習時間と一週間トータルの学習時間を記録、今週の目標と一週間の振り返り・・・勉強したくなったからする、眠くなったから寝る、と何となく過ごすのではなく、勉強する時間、自由に過ごす時間を自分に予約するイメージで…⇒細かく計画を立てて、その通りにガチガチに生活するのが目的ではない、自分で決めて実行する面白さを知る⇒やらされているのではなく「自ら考えて行動し、目標を達成できる人」になるため⇒手帳を使った時間管理のスキルは、受験にも役立ち、社会人になってから更に威力を発揮
春休み中に、是非、手帳の活用術を身につけ、有意義で充実した春休みを過ごしてください。そして4月の始業式には、それぞれフレッシュアップした皆さんに、再びここでお会いするのを楽しみにしております。