中間テストが終了し、昨晩は少しのんびり過ごせたことと思います。
毎回のテストに関して言えると思いますが、数日間、もしくはたった一晩で詰め込んだ知識をテストが終わったらすぐに忘れてしまった、なんてことはありませんか? 勉強以外でも部活動やその他の活動で忙しい中高時代ですので、暗記で乗り切るとか、とりあえず知識を頭に詰め込む、ということが効率的な時間の使い方だ、と主張する人もいるかもしれません。しかし、今日は知識偏重でなく、体を動かし、五感をフルに使って行う学びの大切さについて考えてもらいたいと思います。
先日参加した息子の保護者会で、担任の先生が次のようなことをおっしゃっていました。「最近の子供は、早期教育の影響もあり、3,4歳児で数字や文字の読み書きができるのは当たり前、中には分数の足し算・引き算までできる子もいます。それ自体は否定することではないのだけれども、問題なのは、実際に手を使ってビー玉やマッチ棒を数えたり、水をコップに入れて量を目で見たり、ということをおろそかにする子が多くなってきたことです。」
「数」などの概念を知っているつもりにはなっているけれども、その概念が、手で触ったり、目で確かめたりしてこそ理解できる量や大きさ、といった具体的な物と結びついていない子供たちが増えてきたことを先生は嘆き、実際に見たり、触ったり、音を聞いてみたり、臭いを嗅いでみたり、五感をフル活用することの大切さを強調されていました。
幼い子供たちにとっては、まさに遊びこそが最大の学びの手段です。遊びを通して体験したこと、本能的に自分が興味を持った物をとことん眺め、触って学んだことをスポンジのように吸収していきます。
もちろん、年齢とともに脳が発達すれば、抽象的に物事を考えることができるようになりますので、たとえ自分が体験したことの無いことであっても、知識として頭に入れることは可能です。でも、その知識は、自分の体験・感情が伴えば、更に強化され、自分の血肉となるのではないでしょうか?
季節は秋。過ごしやすい季節でもあります。ぜひ時間を見つけて、美術館やコンサートに足を運んだりして、幼いころのように、知識と自分を結びつける努力をしてみてはいかがでしょうか?